PR
記者会見で説明する三菱重工業原動機事業本部副本部長の伏屋紀昭氏(左)と同本部事業戦略部長の久保雅之氏(右)
記者会見で説明する三菱重工業原動機事業本部副本部長の伏屋紀昭氏(左)と同本部事業戦略部長の久保雅之氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 三菱重工業は,米General Electric社とガスタービン・コンパウンド・サイクル(GTCC)発電設備向け蒸気タービンについて,共同開発を検討することで合意した。GTCCは,ガスタービンで発電するとともに,その排ガス熱を利用して蒸気タービンでも発電するもの。エネルギを有効利用でき,CO2排出量が少ないため,先進国を中心として需要の伸びが期待できるという。三菱重工とGEは,GTCCのガスタービンに関しては依然として競合関係にあるが,蒸気タービンに関しては協調関係に転じる。

 両社は今後,最終合意(契約締結)に向けて協議を重ねるという覚書(MOU)を交わした状態。共同開発品の仕様(出力)を決めて,最終合意した後,実際の設計作業に入り,2011年か2012年ごろに市場に投入したいという。共同開発製品では「特に高効率であること,信頼性の高いこと」(三菱重工)を目指す。

 また両社は,それぞれ単独に開発するよりは開発リソースを有効活用できる。設計,生産技術などに関して合弁会社を設立することも検討する。また,GTCC向けだけでなく,原子力発電設備向けの蒸気タービンに関しても,共同開発を検討するという。

 蒸気タービンには「反動式」と「衝動式」があるが,三菱重工業は歴史的に「反動式」,GEは同じく「衝動式」が得意であるという。反動式は,タービンの動翼と静翼の間で蒸気が膨張することによる反動で動翼(回転軸)を回すもの。翼が小型になり,段数(動翼と静翼の組みが1段)が多くなる。対して衝動式は,主に蒸気が動翼を押す力で回転軸を回すもので,蒸気の圧力エネルギが一挙に運動エネルギに変換されるため,翼が大型になり,段数は少ない。それぞれの方式で両者が蓄積してきた要素技術の中から,共同開発品に採用する技術を選んだり,組み合わせたりする考えだ。

 ガスタービンに比べて蒸気タービンは古い技術であるため,メーカーが異なっても「形状は似たりよったり」(三菱重工)という。このため,要素技術を組み合わせたり融合させたりすることが「比較的容易」。対照的にガスタービンは,まだ歴史が浅く,メーカーによって差が大きいため,共同開発にはあまり適さない可能性があるという。

 大型のGTCCに関しては,GEが世界シェアの約50%を握り,三菱重工業は約10%程度という。