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 NECは2009年1月30日,2008年度第3四半期(2008年10~12月期)の連結決算を発表した。売上高は9483億円(前年度同期比9.9%減),営業損益は248億円の損失(同408億円の悪化),当期純損益は1308億円の損失(同1255億円の悪化)となり,赤字に転落した。さらに,事業環境の悪化を受け,2008年度通期の業績予想を下方修正する。

 2008年度第3四半期の事業セグメント別の業績は,以下の通り。

携帯電話機はシェア拡大も,パソコンが低迷

 携帯電話機やパソコンを扱うモバイル/パーソナルソリューション事業の業績は,売上高が1994億円(前年度同期比2.9%減),営業損益が24億円の損失(同48億円の悪化)だった。

 携帯電話機に関しては,新機種投入効果により,市場全体が冷え込む中,前年度同期比で微増となる130万台を出荷し,シェアを拡大している。だが,機種数が増加したことにより開発費用もかさんでおり,携帯電話機事業では営業減益となった。今後は,ソフトの共通化などにより効率化を図る。

 パソコンに関しては,海外市場で市場全体が低迷しており,NECの売り上げも減少した。国内でも企業のパソコン投資意欲が減速している。こうした売り上げの減少に伴い,パソコン事業では営業損失を計上した。

エレクトロンデバイス事業は大幅な悪化

 半導体や電子部品を扱うエレクトロンデバイス事業の業績は,売上高が1559億円(前年度同期比26.5%減),営業損益が202億円(同234億円の悪化)となり,大幅な減収・営業赤字転落となった。

 半導体に関しては,事業環境の悪化により,MCUや個別半導体を中心に売り上げが減少。これに伴い,大幅な営業減益となった。

 電子部品は,全般的に売り上げが減少。経費削減を進めたが,売り上げの減少に追いつかず,赤字転落となった。液晶ディスプレイに関しては,産業用の中・大型品を中心に需要減少しており,減収となった。

製造業などでシステム投資意欲が減退

 ITシステムおよび関連製品を扱うIT/NWソリューション事業の業績は,売上高が5914億円(前年度同期比3.6%減),営業損益は116億円の利益(同44億円の悪化)となった。ITサービスやSIに関しては,中小企業や金融機関,製造業を中心に投資抑制傾向が広がっているほか,官公庁向けが堅調に推移し,2008年度第3四半期としての売り上げは前年度同期比並みを確保した。ただし,2008年度第4四半期は,投資抑制傾向の拡大によって,売り上げは大幅に減少する見通しだ。

エレクトロンデバイス事業の悪化目立つ

 直近の事業環境の悪化を受け,2008年度通期の業績予想を下方修正した。修正後の売上高は4兆2000億円(2008年10月30日時点の前回予想は4兆6000億円,前年度実績は4兆6172億円),営業損益は300億円の損失(同1200億円の利益,1568億円の利益),当期純損益は2900億円の損失(同150億円の利益,227億円の利益)である。

 売上高は,前回予想から4000億円下方修正した。事業セグメント別の下方修正額は,エレクトロンデバイス事業が1450億円,モバイル/パーソナルソリューション事業とIT/NWソリューション事業が1100億円ずつ,その他が350億円である。エレクトロデバイス事業の修正額のうち,NECエレクトロニクスが1050億円,NECトーキンが197億円を占めている。

 営業損益は,前回予想の1200億円の利益から一転,300億円の損失(1500億円の悪化)という修正になった。事業セグメント別の下方修正額は,エレクトロンデバイス事業が770億円,IT/NWソリューション事業が360億円,モバイル/パーソナルソリューション事業が170億円,その他が200億円である。エレクトロンデバイス事業の修正額のうち,NECエレクトロニクスが560億円,NECトーキンが92億円を占めている。

 こうした状況を受け,NECでは,事業ポートフォリオの見直しなどから成る「事業構造改革」と,人員削減や外注費の削減などから成る「収益構造改革」を同時に実行することで,次の成長段階に向けた布石とするという(事業構造改革と収益構造改革については,続報記事を参照)。