POLYTEDA Softwareのブース 日経BPが撮影。
POLYTEDA Softwareのブース 日経BPが撮影。
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 微細加工技術の進化に伴い,設計規模の増大に加えて,設計ルールの複雑化が進んでいる。このため,DRC(design rule check)の処理時間の増大が懸案となってきた。

 DRCは,多角形の集合であるレイアウト設計結果が設計ルールに沿っているかどうかをチェックする検証である。また,設計ルールとは,製造技術と電気的特性から決まる制約であり,図形の大きさや,図形間の間隔,包含の余裕などといった形で表現されている。

 このDRCを高速実行するというEDAツールを,カナダPOLYTEDA Software Corp.が,1月22日と23日にパシフィコ横浜で開催の「EDSFair 2009」の「新興ベンダーエリア」に初めて出展した。製品名は「PowerDRC」で,大規模回路を高速に処理することをウリモノにする(Tech-On!関連記事)。最近の評価結果によれば,20億トランジスタの設計のDRCを100台のCPUを用いて,1時間未満で完了できる,という。

 高速化できた理由は,(1)複数のCPUを有効に使用する新しい技術と,(2)従来の市販ツールとは異なる新DRCエンジンの採用にあるという。従来のレイアウト検証ツールでは,図形データをレイヤー単位で逐次処理する。これに対してPowerDRCのDRCエンジンでは,入力した図形データを複数レイヤーにまたがる適切な集合にまとめたうえで,一括処理する。このため,大規模化設計でかつ複雑な設計ルールでもDRCを高速処理できる,とした。

 POLYTEDAは企業としては新しいが,ツールの開発チームの経験は豊富だという。数十年前から今日までに,EDAツールの開発を多数回手がけてきたベテランの集団だとする。こうした経験の過程で,資源(メモリーとCPU)を最大限に活用する技術を獲得した。

 同社のVlad Marchuk氏(社長兼CEO)は,「他のベンダーは性能向上に向けて,既存の古いソース・コードを抱えて苦しんでいる。一方われわれは,大規模化する設計と複雑化する設計ルールに対応する新しい技術を,スクラッチから作り上げた。その違いはベンチマーク結果に表れている」と主張した。

 現在,POLYTEDAは,PowerDRCのベータ版を欧州の複数のパートナー企業と共同評価中である。日本国内で同様なパートナーを探している。正式版のリリースは2009年夏の予定である。