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 経済産業省は平成19年度(2007年度)から始めた希少金属代替材料開発プロジェクトの平成21年度(2009年度)のターゲット元素として,白金(Pt),セリウム(Ce),Tb(テルビウム)・Eu(ユーロピウム)の3元素系(「鉱種」と表記)を選ぶ方針を固めた。同プロジェクトの実施機関となる新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は同プロジェクトへの提案公募を2009年3月に公募を予告し,4月~5月にかけて公募し,6月にはプロジェクト提案を採択する予定だ。NEDOのWebサイトの「ニュース」欄に公募告知が掲載される予定。

 希少金属(レアメタル)の価格高騰や鉱石や原料などの輸入量激減などの資源問題への対応策として2007年度から始まった希少金属代替材料開発プロジェクトは前回にIn(インジウム),Dy(ジスプロシウム),W(タングステン)の3元素を選び,その材料開発プロジェクトとしてInが2件,Dyが1件,Wが2件を選んだ。5年間で各元素の含有量を大幅に低減した代替材料などを開発する。これは,大学や公的研究機関,企業などが提案した材料開発案から最適な提案を採択したものだ。

 経産省製造産業局の非鉄金属課は今回,Pt,Ce,Tb・Euの3元素系を選んだ理由を,以下のように説明する。(1)Ptは,自動車の排ガス浄化用触媒や燃料電池の発電反応の触媒として日本の製品開発に不可欠な元素でありながら,鉱石などの原料資源が南アフリカに約80%,上位3カ国で96%と特定の国に偏在し,安定供給にリスクがある。(2)Ceは,液晶ディスプレイなどを構成する高性能ガラスの精密研磨剤などに必要だが,これも原料資源を保有する中国などが輸出を規制する可能性を示すカントリーリスクが高い。(3)Tb・Euは,蛍光体に不可欠な元素系であり,カントリーリスクがやはり高いと推定されている---。

 経産省非鉄金属課の田端祥久課長は「供給(採掘可能年数),需要,価格伸長率,鉱石資源の特定国への集中度,リサイクル率の5つの評価軸を数値化し,その上位の3元素を選んだ」と説明する。

 経産省の希少金属代替材料開発プロジェクトは,文部科学省・科学技術振興機構(JST)が実施している元素戦略プロジェクトと対になっている。元素戦略は科学基盤にまで立ち返って各元素が持つ可能性を追究し,高機能・高性能な材料開発を目指している。平成19年度は7件の提案が採択された。この元素戦略プロジェクトが進めた研究開発成果を,将来は希少金属代替材料開発プロジェクトの研究開発シーズにする構えだ。