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 デンソーは,2008年4月~12月の9カ月累計の業績を発表した。売上高は前年同期比11.6%減の2兆6303億円,営業利益は同68.8%減の852億円だった。2008年10月から自動車生産が世界的に落ち込んだことや円高の影響で減収減益となった。製品構成が小型車向けにシフトしていることや素材費高騰も利益を圧迫した。素材費は,前年に比べて銅やアルミが安定したものの,樹脂や白金の価格が上昇しているという。

 2009年1月に入って自動車メーカーはさらに減産幅を拡大しているといい,デンソーは通期(2008年4月~2009年3月)の業績予想を下方修正した。売上高は前回予想から1850億円引き下げて3兆1150億円(前年度比22.6%減)とし,営業損益は380億円の黒字見込みから620億円の赤字見込みに切り替えた。同社が通期連結決算で営業損失を計上するのは初めてという。

研究開発費は環境向けに厚く

 同社は収益改善に向けたコスト削減策を採る。「現在は操業度が8割程度なら利益が出る体制。これを7割でも利益が出る体質に改善したい」(経理部長の高村信行氏)とする。具体的には,2009年度の設備投資額を2008年度見込みの1/2相当の1500億円を上限に絞り込む。非生産分野への投資は凍結するという。

 研究開発費も2008年度見込みの3000億円に対し,20%以上削減するとした。「研究開発投資はメリハリをつけてやっていく」(高村氏)とし,CO2排出量の削減や燃費の向上,ハイブリッド車,電気自動車など環境対応分野に経営資源を集める方針を示した。

自動車生産の回復時期は不明

 正社員の削減や拠点の再編は,現時点で予定していない。各工場内や工場間でのラインの再編や,役員の報酬/賞与の削減などで固定費を圧縮するとした。ただし,期間従業員は,2008年3月末時点の8200人に対して2009年3月末は5500人以下になる見込み。2700人の減少は,契約満了後に更新しない場合があることや,新規採用を休止していること,本人の意思による退職などによるものと同社は説明する。

 デンソーによれば,日本の自動車メーカーの2008年12月の国内生産量は前年同期の7割程度に落ち込み,2009年1月はさらに減産幅が大きくなっているという。米国や欧州も同様の状況で,これまでは成長基調にあったASEANも含め,世界的に自動車の生産量が急減しているとする。デンソーでは回復時期について「見通しが立ちにくい。4月には上向くという説もあるようだが」(高村氏)とし,予測を明らかにしなかった。