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 マツダは,2008年4月~12月の9カ月累計決算を発表した。売上高は前年同期比16%減の2兆990億円,営業利益は同66%減の365億円,純利益は同36%減の289億円だった。2008年11月から自動車販売が世界的に落ち込み,前年同期比で減収減益になった。同社は直近の需要や為替の状況をふまえて通期(2008年4月~2009年3月)の業績予想を下方修正した。売上高は前回予想から4500億円引き下げて2兆5500億円(前年度比27%減)とし,営業損益は900億円の黒字予想を250億円の赤字予想に切り替えた。純損失は130億円を見込む。

代表取締役社長兼CEOの山内孝氏
代表取締役社長兼CEOの山内孝氏 (画像のクリックで拡大)

 9カ月間の全世界の自動車販売台数は前年同期比1%減の96万4000台。日本で同6%減の16万4000台,米国で同14%減の18万6000台となった。欧州は上期までロシアが好調で同6%増の24万2000台,中国は新型「Mazda 2」の投入効果や「Mazda 6」の好調,販売網の拡充などで同38%増の9万7000台となった。

 ただし,2008年10月~12月の3カ月の販売台数は全世界で前年同期比17%減の26万3000台と落ち込んだ。新興市場を含めた全地域で需要が減退。上期は好調だったロシアでは,ルーブル安で輸入車価格が相対的に高くなったこと,経済の混迷で消費者がローンを組みにくくなったこと,販売店が自動車を購入するための資金を銀行から借りにくくなったことで売り上げが急減したという。同社は現在,ロシア向けの輸出を停止しているが,過剰在庫が掃けるまでに6カ月程度を要する見込みで,出荷再開時期は未定とした。こうした状況を受けて,通期の世界販売台数の予測は前回予想より16万5000台少ない124万台(前年度比9%減)に下方修正した。中国以外の全地域で前年実績を下回る見込みという。

環境/安全は投資続行

 市場の急激な冷え込みに対応するため,マツダは緊急対策を実施している。まず,通期で19万6000台の減産により,2009年3月末までに在庫水準の適正化を図る。これに伴って宇品第2工場と防府第2工場の操業を常日勤の1直体制とする。さらに2009年2月~3月は全工場で毎週金曜日の操業を休止する。

 人件費も抑える。役員報酬の自主返納や幹部社員の給与減額,非正規従業員の削減などに取り組んでいる。生産分野の期間従業員/派遣社員は当面,契約を更新しない方針。2009年3月末で契約満了になる国内の期間従業員/派遣社員は500人に上る。

 宣伝・広告費や設備投資,研究開発投資も全領域にわたって見直す。ただし,環境/安全関連分野への投資は加速させるとした。

新社長「業績を好転させて若い人に早く任せたい」

 2008年11月19日に代表取締役社長兼CEOに就任した山内孝氏は「11月19日(の社長就任)は,本当はいやだったが避けられなかった。挨拶まわりをしてもこの状況では『就任おめでとう』とはめったに言ってもらえない」と苦笑いで就任の感想を述べ,「今を底にして反転していきたい。業績が回復したら,社長業は早く若い人に任せたい」と業績回復への意気込みを表した。

 記者会見の終了直前,山内氏はこう述べた。「マツダの社長室には故・松田恒次氏(2代目社長)の写真と書が飾られている。『照一隅者是国士』とある。いろいろな解釈ができる言葉だと思うが,書を見て私は,マツダは広島に貢献していかなければならない,地域社会における責任を果たしたいとの思いを強くした。また,世界市場においても存在感を示したい。世界でみればマツダはシェアわずか2%程度と(事業規模が)小さいが,小さくとも存在感を放ちたい。クルマをこよなく愛する人々の絶対的な満足と支持を得られるマツダでありたい」。