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図1 ADAS1128のリファレンス・ボード。中央部下側にあるのがADAS1128
図1 ADAS1128のリファレンス・ボード。中央部下側にあるのがADAS1128
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 米Analog Devices,Inc.は,チャネル数が128と多いA-D変換IC「ADAS1128」を発表した(発表資料)。主に医療用のX線CT装置に向けるほか,セキュリティー用のX線CT装置や光通信システムの光出力のモニタリングといった用途も想定する。分解能は24ビット。128というチャネル数は,「競合他社品に比べて4倍」(アナログ・デバイセズ)になるという。現在量産出荷中で,250個購入時の単価は192米ドルである。

 X線CT装置では,X線源から対象物(例えば人間)にX線を照射し,対象物を通過したX線を検出器(シンチレータとフォトダイオード)を使って電流に換え,その電流をA-D変換ICでデジタル信号として取り出す。医療用のX線CT装置では多数の検出器をリング状に連ねた検出器アレイを使っており,各検出器にA-D変換ICの各チャネルを割り当てている。検出器アレイすべてでは1000チャネルも必要になる上,検出器アレイを多数連ねる「マルチスライス」になるとチャネル数は装置全体で(1000チャネル)×(検出器アレイ数)へとさらに膨らむ。そのため,A-D変換IC 1個当たりのチャネル数を増やすことで,X線CT装置の検出部の電子回路コストを抑えることができるという。Analog Devices社によれば,ADAS1128はチャネル数を大幅に増やしたことで検出部の電子回路コストを半減できると主張する。電子回路そのものの寸法も小さくなるので,X線CT装置の小型化も図れるという。

 アナログ・デバイセズによれば,128チャネルを実現するためにA-D変換回路を2個に増やし,さらに検出器からの電流を電圧に変換する積分器を従来の1チャネル当たり2個から1チャネル当たり1個に変更した。

 チャネル数の多さに加えていくつかの特徴があり,サンプリング速度は競合他社品比で3.3倍の20kサンプル/秒,消費電力は同55%減の4.4mW/チャネル,実装寸法は同60%減の100mm2(10mm角)という。

図2  ADAS1128の外観
図2  ADAS1128の外観
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図3 性能比較
図3 性能比較
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