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 カネカは,耐熱温度(荷重たわみ温度)が100℃以上と高いポリエステル系植物性樹脂の実証プラントを2010年に立ち上げる,と発表した。生産能力は当面約1000トン/年で,数年後には1万トン/年まで拡大する計画という。

 生産するのは,植物油脂を主原料とする3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸の共重合ポリエステル。現在,植物性樹脂として普及している一般的なポリ乳酸の場合,耐熱温度が約60℃と低く,耐熱性などを向上させるために石油系樹脂と混ぜて使うことが多かった。今回の樹脂は,耐熱温度が100℃以上と高いため,植物性樹脂100%のまま利用できる場合があると見込む。植物性樹脂100%で利用すれば,生分解性が高まるなど,より環境負荷が小さいとする。

 耐熱性以外の物性については,ポリエチレンやポリプロピレンに近いという。共重合体の成分の比率により,軟質性などの物性を調整できる。ポリエチレンやポリプロピレンと同様の用途を想定する。例えば,フィルム・シート,発泡体,射出成形品,繊維などに加工し,農業・土木資材,自動車内装,電気機器,容器,衛生用品,一般包装材などに利用できるのではないかとする。

 製造には,微生物体内に高分子を蓄積させ,精製して取り出す方法を採用する。高砂工業所(兵庫県高砂市)に設置し,設備と研究開発に合わせて約25億円を投資するとしている。

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