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「ActivInk N2200」の構造
「ActivInk N2200」の構造
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 フレキシブル印刷回路向けの材料を手掛ける米Polyera Corp.は,電子移動度が最大0.85cm2/Vsのn型有機TFTを実現できる有機半導体材料を開発した(ニュース・リリース)。開発した材料は,「ActivInk N2200」と呼ばれ,ドイツBASFの子会社であるBASF Future Business GmbHと共同で開発したという。フレキシブル・ディスプレイやRFIDタグの駆動素子に向ける。

 有機半導体を用いたCMOS回路を実現するためには,p型およびn型の有機TFTの電子移動度を高める必要がある。Polyeraによると,p型の有機TFTの開発に比べて,n型の有機TFTの開発は遅れていたと言う。

 開発した材料は,有機溶媒に対する溶解度が最大60g/lと高いため,インクとして用いることができる。今回,スピン・コーティングのほか,グラビア印刷(凹版印刷),フレキソ印刷(凸版印刷),インクジェット印刷などでプラスチック基板上に半導体層と誘電体層を形成し,トップゲート型有機TFTを作製した。TFTの移動度は,スピン・コーティングでの作製時では0.1~0.8cm2/Vs,凹版印刷時では0.1~0.5cm2/Vs,インクジェットでは最大0.15cm2/Vsだった。米Reutersによればプラスチック以外に,紙にも印刷できるという。加えて,CMOSインバータ回路を試作したところ,回路の利得は25~65だった。

 なお,今回の成果は2009年1月21日付けの「Nature」のOnline版,および2009年2月5日発行のNature誌に掲載されている。