PR
4/1朝まで
どなたでも有料記事が読み放題「無料開放デー」開催中!
図1●自己組織的に導電性のネットワーク形状を形成。東レのデータ
図1●自己組織的に導電性のネットワーク形状を形成。東レのデータ
[画像のクリックで拡大表示]
図2●銀ナノ粒子の配置密度のバラつきを低減。東レのデータ
図2●銀ナノ粒子の配置密度のバラつきを低減。東レのデータ
[画像のクリックで拡大表示]
図3●透過率80%を維持しつつ,ITO付きフィルムに対して1〜2桁低い表面比抵抗を実現。東レのデータ
図3●透過率80%を維持しつつ,ITO付きフィルムに対して1〜2桁低い表面比抵抗を実現。東レのデータ
[画像のクリックで拡大表示]
図4●試作した透明なフィルム状ヒーター。東レのデータ
図4●試作した透明なフィルム状ヒーター。東レのデータ
[画像のクリックで拡大表示]

 東レは,銀ナノ粒子を使った透明導電フィルムの連続形成技術を発表した(関連記事)。この形成プロセスのポイントは,ポリエステル・フィルム表面への撥液(濡れ)性,疎液性の付加,銀ナノ粒子を含む塗布液の最適化,塗布後の乾燥にある。

 ポリエステル・フィルム表面への撥液性,疎液性の付加は,銀ナノ粒子が配置される位置や寸法を制御するために行う。ポリエステル・フィルムの表面にnmオーダーの微細な撥液性の領域を,ネットワーク状に形成する。

 撥液性,疎液性を付加したポリエステル・フィルムに,銀ナノ粒子を含む塗布液を塗布すると,疎液性の領域に溶液が,撥液性の領域に銀ナノ粒子が自己組織的に配置される。その後,溶液を乾燥させると,溶液が配置されていた場所は透明となり,導電性のネットワーク形状が出来上がる(図1)。

 東レによると,フィルム表面への撥液性,疎液性の付加も,自己組織的に行うとする。このため,ネットワーク構造は規則的に配列されているわけではない。このフィルム加工技術は,東レフィルム加工が開発した。

 東レが今回,共同開発した米Cima NanoTech社は,従来から自己組織的に銀ナノ粒子を塗液する技術によって,導電性フィルムを作成してきた。ただし,銀ナノ粒子を配置する密度を制御できず,フィルムの面内で密度のバラつきが生じていた。今回の技術によって,再現性の良く,より均一な密度での導電性のネットワーク形状の形成が可能になった(図2)。

 今回の導電性フィルムは,従来のITO付きフィルムとは異なる用途に展開できるとする。ITOの表面抵抗比が数十~1000Ω/□,透過率が80%以上なのに対して,今回の導電性フィルムは透過率が80%と多少劣るが,導電率が1~50Ω/□と1~2ケタ上回っている(図3)。こうしたフィルムに向く用途として,窓ガラスの電磁波遮断,透明なフィルム状ヒーター(図4),太陽電池の電極などがあるとする。