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予想では経常利益で200億円を見込んでいたが,50%減の100億円に修正(スクウェア・エニックスの発表資料から)
予想では経常利益で200億円を見込んでいたが,50%減の100億円に修正(スクウェア・エニックスの発表資料から)
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 2009年のゲーム業界の一つの目玉である新作ゲーム・ソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」の発売延期が発表された。開発元のスクウェア・エニックスは,同ソフトの発売日を当初予定の2009年3月28日から7月11日に3カ月以上延期した。

 同社は,発売延期の理由を「開発中のソフトに重大な不具合(バグ)があることが判明し,そのための改修・検証期間が必要になった」とする。また,同社 代表取締役社長の和田洋一氏は「ドラクエでは初めてとなるネットワーク通信機能も,まだ掘り下げて確認すべき部分がある。ドラクエには非常に高い完成度を求められるため,バグ修正のために十分な期間が必要と判断した」と語った。

 また同社は,300万本の販売本数を期待するドラゴンクエスト新作の発売延期に伴い,2009年3月期通期の業績予想を大きく下方修正した。2008年11月に発表した予想では経常利益で200億円を見込んでいたが,50%減の100億円に修正した(売上高は270億円減の1330億円に,営業利益は90億円減の120億円に修正)。ドラゴンクエストの発売延期だけでなく,アミューズメント部門の大幅な落ち込みも下方修正の大きな要因とした。

 和田氏は「昨年約束した200億円を達成できなかったことは,私を含む経営陣の責任だと考えている。襟を正して構造改革に取り組んでいく」とし,和田氏と副社長の本多圭司氏,取締役の松田洋祐氏の報酬を15%カットすることを明らかにした。

 同社が発表した2009年3月期第3四半期の決算(発表資料)によると,2008年4月から12月までの連結業績は,売上高が1034億8800万円(前年同期比7.1%減),営業利益が127億6800万円(同8.9%減),経常利益が106億6300万円の減収減益となった。

 セグメント別の営業利益を見ると,主力のゲーム事業が48億円200万円(前年同期87億5200万円),主にタイトーが担当するアミューズメント事業がマイナス8億7100万円(同16億4000万円)と,この二つが落ち込みの要因となっている。

 特にアミューズメント部門は「2008年秋以降,つるべ落としのように収益が悪化している。不況で客足が遠のいていることよりも,各地でゲームセンターを運営するオペレータのファイナンスが不安定なことが大きい」(和田氏)という。

 なお同社は,ビデオゲーム会社の英Eidos plcを買収することを明らかにした。子会社の英SQEX LTD.が,Eidos社の発行済(発行予定を含む)全株式に対して,現金による買い付けを開始した。これは英国裁判所の承認を得て行われる友好的な株式の買い付けという。買い付け価格は,1株当たり32ペンス。総額の買収金額は100億~110億円を見込む。

 Eidos社は,「トゥームレイダー」や「ヒットマン」などのヒット作を持つ英国のゲーム会社。英国のほか,デンマーク,スウェーデン,ドイツ,カナダ,米国などにも開発拠点を有する。和田氏はEidos社買収の狙いについて「買収が完了すれば,これまで取り組んできた開発拠点の海外展開が一気に進む」と語った。