PR
パイオニア代表取締役社長の小谷進氏
パイオニア代表取締役社長の小谷進氏
[画像のクリックで拡大表示]

 パイオニアは2008年度第3四半期(2008年10~12月)の決算発表と同時に( Tech-On!の関連記事 ),業績改善に向けた構造改革を正式に発表した(PDF形式の発表資料)。(1)事業ポートフォリオの再編,(2)グループ全体の事業体制のスリム化,(3)財務体質の改善の三つに取り組んでいくとする。構造改革の目的として,同社代表取締役社長の小谷進氏は,「5期連続の最終赤字という厳しい状況から脱却し,パイオニアが再び光り輝くための大きな痛みを伴う」対策とした。

PDPテレビ事業から完全撤退へ

 (1)の事業ポートフォリオの再編は,事業の柱であるホームエレクトロニクス事業とカーエレクトロニクス事業について,それぞれ取り組みを発表した。

 ホームエレクトロニクス事業は,赤字幅が拡大し続けてきたPDPテレビを含むディスプレイ事業から2010年3月までに撤退する。現在発売している製品を最後に,今後の自社開発を中止する。なお,アフターサービスについては事業撤退後も続けていく。「パイオニアが業界の先駆けとなってきた事業を断念するのは断腸の思いだが,市場変化は想定を大きく上回っており,このままでは損益改善を見込めないと判断し撤退を決断した」(小谷氏)という。

 パイオニアは2008年3月にディスプレイ事業の構造改革を進めていた( Tech-On!の関連記事 )。PDP生産から撤退し,パナソニックからPDPを,シャープから液晶パネルを調達する予定だった。今回発表された構造改革により,これらの共同事業も白紙となる。シャープからカーナビ向け液晶パネルの調達は継続する。なお,ディスプレイ事業のこれまでの構造改革で,従業員数は2008年3月末~2008年12月末までの期間で,正社員を約5900人,派遣・請負社員を約4000人,削減したという。

 光ディスク事業は,「具体的な協業の方法について現在検討中のため詳細は話せない」(小谷氏)としながらも,「シャープとの合弁会社の設立に向けて協議を進めている」(同氏)ことを明らかにした。既に,「基本的な同意に達しており,最後の詰めの段階」(同氏)であり,近々発表する予定という。

 ディスプレイ事業の撤退と光ディスク事業の合弁会社設立に伴い,パイオニアは今後,ホームエレクトロニクス事業として,オーディオやプロ向けオーディオ機器,CATV関連機器の三つに絞って事業を展開するという。

カーエレはテレマティクス事業に注力

 カーエレクトロニクス事業については,「ディスプレイ事業から経営資源を振り分け,市場におけるポジションと技術力を活かした新たなビジネスに挑戦していく」(小谷氏)という。直近では,Blu-ray Disc対応品や,ネットワーク対応品など,新しい製品を拡充すると同時に,テレマティクス事業への取り組みを強化する。中期的には,テレマティクス事業をカーエレクトロニクス事業の中心に据える考えを示した。

 販売面では,市販品では,BRICsを中心とした新興国での事業拡大に取り組んでいくことで,日本や欧米の市販市場の縮小を補っていくという。OEM品については,ネットワーク対応品や高付加価値品を導入して,「自動車メーカーに対して新たな価値を生み出す提案を積極的に行う」(小谷氏)という。

正社員を6000人,派遣社員を4000人削減予定

 (2)のグループ全体の事業体制のスリム化については,生産体制と販売体制を見直す。生産体制については,ディスプレイ事業から撤退するほか,カーエレクトロニクス事業もを見直しを図る。加えて,スピーカー事業の生産拠点を統合するという。このほか,全世界で30社の生産会社を約3割削減する予定とした。販売体制については,ホームエレクトロニクス事業の構造改革により,事業規模が縮小するため国内外の販売体制を見直し,拠点の統廃合などを計画中という。加えて,本社機能や研究開発機能も,新しい事業構造に見合う体制としていくとした。2008年12月末までに約1万人の従業員を削減したことに加えて,さらに2008年12月末から正社員を全世界で約6000名,派遣・請負社員を約4000名,削減する計画という。

 (3)の財務体質の改善については,棚卸資産や売掛債権の圧縮,設備投資の抑制,遊休資産の売却,役員報酬や従業員給与の減額などを進める。役員報酬の減額は2008年7月から実施しているが,2009年2月から減額幅を基本報酬部分の20%~50%として,2011年3月まで実施するほか,役員賞与は支給しないとする。

この記事を英語で読む