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有機ラジカル電池
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試作したLEDフラッシュ付きカード
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 NECは,有機ラジカル電池の出力密度を向上させつつ,1秒以下のパルス放電で1万回以上の繰り返し充放電を可能にしたと発表した。電極用インキの均質分散技術や印刷技術により有機ラジカル材料と炭素繊維の均一性を高め,有機ラジカル正極の内部抵抗を低減した。これにより,電池の出力密度が従来比3倍の5000W/Lに高まったという。

 さらに,有機ラジカル材料と電解液との相溶性の改善や構造の改良により,1万回以上の繰り返し放電が可能であることを実証したとする。具体的には,厚さ1mm以下のコイン大の薄型有機ラジカル電池の場合,1Aの高電流放電をはじめ,2Wの高出力特性,100mA放電で1万回の繰り返し充放電が実現できるとしている。

 有機ラジカル電池は,安定ラジカルの酸化還元反応を利用して電気を蓄える2次電池(関連記事)。NECが2001年に発表した。電子軌道の最外殻に不対電子を持つ「ラジカル」と呼ばれる物質の酸化還元反応を利用する。反応速度が速いことから,高速充放電が可能である。有機ラジカル化合物と炭素繊維からなる複合正極に電解液を浸透させることで,ゲル状のフレキシブルな電極を実現できるのも特徴である。

 NECでは今後,非接触充電技術などと組み合わせて利便性を高め,高機能ICカードや電子ペーパー,ウエアラブル端末などの次世代端末の電源への応用を目指すという。今回の研究開発の一部は,経済産業省・NEDOによる「先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」の一環として実施したもの。インキの均質分散技術や印刷技術はDICが,改良型ラジカル材料は住友精化と共同で開発している。

 今回の開発品は,2009年2月18~20日まで東京ビッグサイトで開催される「国際ナノテクノロジー総合展(nano tech 2009)」に出展する予定(関連記事1関連記事2)。

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