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 MM総研は,2008年(2008年1~12月)のパソコンの国内市場調査の結果を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年比4.9%増の1362万3000台。前年比で出荷台数が伸びたのは2005年以来,3年ぶりという。出荷金額は,同4.7%減の1兆4740億円で,2008年以降8年連続の減少となった。出荷台数が伸びたにも関わらず,出荷金額が減少したのは,小型で低価格のノート・パソコンであるいわゆる「ネットブック」が平均単価を押し下げたためという。

 種類別に見ると,ノート・パソコンの出荷台数は対前年比2.0%増の757万6000台。デスクトップ・パソコンの出荷台数は同4.2%減の532万7000台だった。デスクトップ・パソコンからノート・パソコンへの移行が進んでいるという。ネットブックの出荷台数は72万台で,パソコンの出荷台数全体に占める割合は5.3%に達した。ネットブックを除くパソコンの出荷台数は1290万3000台で,前年と比べるとほぼ同水準である。このことから,「ネットブックは,新しいパソコン需要を開拓した」とMM総研は説明する。

ネットブックの成長で,台湾メーカーが浮上

 メーカー別の出荷台数を見ると,ネットブックの成長によって台湾Acer Inc.と台湾ASUSTeK Computer Inc.が浮上した。両社の前年の順位は10位以下だったが,2008年はAcer社は8位,ASUSTeK Computer社は10位につけた。出荷台数はAcer社が対前年比355%増の45万5000台,ASUSTeK Computer社が35万5000台である。ネットブックも高性能化してきていることから,既存のノート・パソコンとの性能差が接近しつつあり,今後ますますシェア争いが激しくなるとMM総研は分析する。

メーカ別の出荷台数シェア
メーカ別の出荷台数シェア (画像のクリックで拡大)

 その他のメーカーを見ると,前年と比べて1~7位に変動はなかった。1~4位まではNEC,富士通,米Dell Inc.,東芝の順で,出荷台数はそれぞれ対前年比0.9%増の269万5000台,同1.1%減の251万4000台,同9.0%増の204万5000台,同6.2%増の136万5000台だった。

 5位の米Hewlett-Packard Co.(HP社)は,出荷台数が117万5000台。前年比で22.1%増加し,シェアを1.2ポイント伸ばした。法人市場において,グローバル企業の調達量を背景に価格を抑えたことなどが奏功したという。個人向け市場でもネットブックを投入するなど,商品開発が活発という。6位のソニーの出荷台数は,同2.2%増の88万台。台数ベースでは市場平均の伸び率を下回ったものの,Blu-ray Disc装置やいわゆる「フルHD」対応液晶パネルを搭載したノート・パソコンといった高付加価値製品を拡充しており,高価格帯で積極的な価格攻勢を続けているという。9位の米Apple Inc.は38万7000台を出荷し,前年比20.9%増と大きく伸びた。同社は,ネットブックを販売していないが,携帯電話機「iPhone」や携帯型メディア・プレーヤー「iPod」による注目度の向上やデザインなどによって,じわりとシェアを伸ばしているとする。

2009年の出荷台数は対前年比2%減の見通し

 2009年の出荷台数は,対前年比2.2%減の1332万台となる見通し。個人向け市場が同2.2%増の650万台,企業向け市場が同約6.1%減の682万台と予測する。企業向け市場が減少すると見込むのは,景気後退の影響という。出荷台数で見ると,企業向け市場が伸び悩むことから,個人向け市場がどこまで下支えできるかが鍵にになるとする。