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 今回は,波形測定器を使った,自動車の電子制御を実現している“車載LAN”の開発と評価について解説する。

 「環境(地球に優しい自動車)」「安全(人の安全)」「先進技術(人と自動車・社会と自動車との新しい関係)」をキーワードに,自動車の高性能化および高機能化が加速している。これを背景に,自動車1台あたりのECU(electronic control unit)の数や,車内で扱うデータ量は増える一方だ。こうした中で重要さを増しているのが,車載LANの役割である。

 車載LANには,様々な規格がある。その中で,現在もっとも採用が進んでいるのが「CAN(controller area network)」である。ところが,ここにきてCANでは対応できないアプリケーションも徐々に増えてきた。こうした中で脚光を浴びている次世代規格の一つが「FlexRay」である。自動車メーカーが中心となって設立された「FlexRay Consortium」が規格制定や普及に取り組んでいる。

車載LANの開発・評価に向けた測定器

 車載LANの開発工程は,設計工程とテスト工程の大きく二つ分けられる。テスト工程は,(1)規格認証テスト,(2)ソフトウエア・デバック,(3)システム検証,(4)機構系を含めた総合機能検証,の4つに分類することができる。重要なことは,それぞれのテスト工程に適したツールを選択することである。例えば,(3)システム検証(配策)のための波形観測に適した車載LAN向けのシリアルバス・アナライザが,すでに製品化されている(図1)。

図1 ビークルシリアルバスアナライザ「SB5710」(横河電機)
図1 ビークルシリアルバスアナライザ「SB5710」(横河電機) (画像のクリックで拡大)

解析作業の効率化に貢献する測定器

 車載LANシステムの動作を検証する場合,問題の原因がECU単体やケーブルなどを含めたハードウエアによるものか,またはソフトウエアによるものなのかを区別することが難しい場合が少なくない。原因として考えられるものには,(1)バスに接続している特定のECU,(2)外部からの電磁ノイズ,(3)伝送路の反射や負荷変動,(4)(組み込み)ソフトウエアなどがある。こうした様々な可能性の中から,効率良く原因を特定しなければならない。

 図2は,シリアルバス・アナライザでFlexRay信号のデコードおよびプロトコル解析を行なった例である。特定のプロトコルでトリガをかける「プロトコル・トリガ」を使って特定のフレームを捕捉。そのときの信号波形と,プロトコルを解析して得られたデコード結果を同時に表示したものだ。こうしてプロトコル解析結果とその信号波形を同じ時間軸で比較することで,ソフトウエアの検証を含めたトラブルの原因解明に掛かる時間を大幅に短縮することができる。

図2 FlexRay波形観測とプロトコル解析例
図2 FlexRay波形観測とプロトコル解析例 (画像のクリックで拡大)