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図1◎新技術により,溶融加工性を維持しながら熱伝導率を高めたPA樹脂。
図1◎新技術により,溶融加工性を維持しながら熱伝導率を高めたPA樹脂。
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図2◎熱伝導率の比較。熱伝導率の高い樹脂は,熱源から離れたところへ素早く熱を伝える。
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図3◎高熱伝導性樹脂とガラス繊維強化PA樹脂の溶融粘度比較。溶融時の流動性は,一般のガラス繊維強化PA樹脂と同等。
図3◎高熱伝導性樹脂とガラス繊維強化PA樹脂の溶融粘度比較。溶融時の流動性は,一般のガラス繊維強化PA樹脂と同等。
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 ユニチカは,ポリアミド(PA)樹脂の熱伝導率を高める技術を開発した(図1)。この技術によってPA樹脂単独での熱伝導率を,従来の0.2W/(mK)*から50W/(mK)に向上させられる(図2)。OA機器やIT機器,電気・電子部品,発光ダイオード(LED)照明部品,センサ部品などへの展開が可能なため,生産技術の確立を図るとともに,ニーズに合ったグレードの開発を進める計画だ。

*:1W/(mk)は,厚さ1mの板の両端に1℃の温度差があるとき,その板の1m2を通して1秒間に流れる熱量を指す。

 PA樹脂の用途である電子機器の高性能化や高容量化,小型化が進むのに伴い,多くの部品やユニットで放熱性能の向上が課題となっている。そのため,PA樹脂に対しても特性を維持したまま熱伝導を向上させる要求が高まっているという。樹脂に熱伝導性を付与するには,熱伝導性フィラーを配合する方法があるが,高い熱伝導性を実現するためには多量のフィラーを配合しなければならない。フィラーの添加量が多くなると溶融加工性が急激に低下し,小型化・精密化している用途には適合できない。

 同社は今回,PA樹脂のPA構造や配合成分を新たに設計し,同社が開発したコンパウンド技術を応用することで,熱伝導性フィラーを大量に配合しても溶融流動性が低下せず,機械物性に優れるPA樹脂材料を開発した。

 導電系フィラーを添加した場合の面方向の熱伝導率は50W/(mK)レベルを,絶縁系フィラーを添加した場合は同15W/(mK)レベルを達成。射出成形が可能で,溶融時の流動性は,同社の標準的なガラス強化PA(GF60%)グレードと同等とする(図3)。部材に高熱伝導性樹脂を適用することで放熱ユニットを簡略化できるため,ユニットの軽量化と設計にかかるコスト削減が可能だ。

連絡先:中央研究所 機能性コンポジットグループ
電話:0774-25-2295