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図1 多孔質膜にスクリーン印刷した試作品(左)と,特殊な処理によって多孔を溶解してつぶした試作品(右)。多孔による光の散乱が減るので,半透明に見えるようになる。フィルムの平面方向の寸法は変化がないとする。
図1 多孔質膜にスクリーン印刷した試作品(左)と,特殊な処理によって多孔を溶解してつぶした試作品(右)。多孔による光の散乱が減るので,半透明に見えるようになる。フィルムの平面方向の寸法は変化がないとする。
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図2 展示パネル。
図2 展示パネル。
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 ダイセル化学工業は基板材料として,スクリーン印刷で配線幅13μm,配線間隔27μmの配線パターンを印刷できるフィルムを開発し,「プリンタブルエレクトロニクス 2009」(2009年2月18~20日,東京ビッグサイト,「nano tech 2009 国際ナノテクノロジー総合展」と同時開催)で参考展示した。このフィルムは平均0.1~1μmといった直径の穴を作り込んだ多孔膜である。インク中に含まれる溶剤が穴に染み込み,固形分が表面に残るようになっており,印刷時に配線パターンがにじみにくい。「スクリーン印刷の版と同じ幅の線を印刷できる」(説明員)とする。表面を粗化したような状態になっているので,配線パターンの密着性も高められるという。同社によれば,表面が平坦な樹脂フィルムの場合,配線幅50μm以下のスクリーン印刷は難しく,2倍くらいににじんでしまったり,実装工程で配線がとれてしまったりといった課題があったという。

 多孔膜は一般に,引っ張り強度が低いという欠点がある。今回のフィルムは配線印刷後に特殊な液体を使って溶解させて厚み方向にフィルムをつぶし,穴を塞ぐことでこの問題を回避できるとする。この液体処理を施すとフィルム透明になるので,ほかの材料と積層する場合の位置合わせも可能となる。また,配線印刷後,配線パターンの導電性を高めるためにCuやNiとAuなどをメッキしたり,信頼性を高めるために保護膜で封止したりといった処理も施せる。

 はんだ実装に対応できるよう,フィルム材料には耐熱性の高いポリエーテルイミド,ポリエーテルサルホン,ポリエーテルイミド,ポリアミドイミドを用意する。今回のフィルムは現在開発中で,実用化時期は未定だが,1~2年内の実用化を考えているという。コストについては未定である。