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太陽光発電設備建設のイメージ図
太陽光発電設備建設のイメージ図
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 東北電力は,2020年度までに同社管内の数カ所で,MW(メガワット)級の太陽光発電設備を建設および運転すると発表した(発表資料)。出力電力は合計で1万kW程度になる見込み。電力供給のほか,天候や日射量の変動がネットワークに与える影響も検証する。国内の太陽光発電の普及拡大に弾みをつけるため決めたという。

 当面の計画として,八戸火力発電所(青森県八戸市)と仙台火力発電所(宮城県宮城郡七ヶ浜町)の構内の一部に,太陽光発電設備を設置する。いずれも2010年度をメドに着工,2012年度をメドに運転を開始する予定。出力は八戸火力発電所が約1500kW,仙台火力発電所が約2000kW。年間の発電電力量は,約160万kWhと約210万kWhと見込む。八戸火力発電所における発電は,一般家庭約500世帯分の年間電力量に相当し,1年間で約800tのCO2排出量を削減できる見込みという。仙台火力発電所の発電では,一般家庭約600世帯分の年間電力量を発電できる見込みで,これによるCO2排出量の削減効果は年間約1000tという。設置面積は八戸火力発電所が約3ha,仙台火力発電所が約4ha。このほかの建設地については,引き続き検討を進めるとする。

 加えて,東北電力は運輸部門におけるCO2排出量の削減に向けて,同社グループの業務用車両にプラグイン・ハイブリッド車や電気自動車を導入することも明らかにした。自動車メーカーの開発動向を踏まえながら,更新対象車両を段階的にプラグイン・ハイブリッド車および電気自動車に切り替える。2020年度までに1000台程度を導入する方向で検討を進めるという。これら車両の導入によるCO2排出量の削減効果は年間1000tと見込む。

 東北電力の今回の計画は,電気事業連合会が2008年9月に発表した,「メガソーラー発電と電気自動車の導入計画」を受けたもの(発表資料)。同連合会はこの計画の中で,同連合会に参加する電力会社10 社が2020年度までに全国約30カ所で合計14万kWの太陽光発電所の建設を計画していると発表していた。また,電気自動車については,業務用車両として業界全体で約1万台の導入を計画しているとした。この車両導入数は,電力会社各社が使用している業務用車両の約半数に相当するという。