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 米iSuppli Corp.は,2008年第4四半期の携帯電話機向けベースバンド半導体の世界市場において,米Qualcomm Inc.の売上高シェアが40.6%を占め,2位との差を広げたと発表した(発表資料)。iSuppli社の推計によると,Qualcomm社の売上高シェアは直前期から4.3ポイント上昇。2位の米Texas Instruments Inc.(TI社)との差は20.9ポイントで,第3四半期におけるシェア差14.1ポイントよりも拡大しているという。

 Qualcomm社の成長の主因と考えられるのは,フィンランドNokia Corp.がQualcomm社のチップを使用するようになったこと,とiSuppli社は分析する。Nokia社とQualcomm社は以前,第3世代(3G)移動体通信技術に関連した知的財産権とロイヤリティをめぐって係争を続けており,Nokia社は伊仏合弁STMicroelectronics社やTI社からASICを購入していた。しかし,3G技術の成熟につれて,カスタムASICと標準的なチップとの差は少なくなり,Nokia社にとってQualcomm社の標準的なチップが魅力的になっていたという。

 両社は2008年にすべての訴訟で和解し(Tech-On!の関連記事),2009年2月にはUMTS方式の携帯端末を共同開発すると発表した(同2)。現在,Nokia社は同社の3G携帯電話機に,モデムやベースバンド,RF向けチップを含むQualcomm社のすべてのチップを利用できるという。これによって,Nokia社は,ユーザー・インタフェースやサービス,アプリケーション部分の開発に注力できるほか,第4世代移動体通信規格と互換性のあるASICに関連する設計や知的財産権に集中できるとする。

 Nokia社は,主にTI社からベースバンド半導体を調達していた時期を経て,過去数年に渡って新しい供給メーカーを追加してきた。その主なメーカーはSTMicroelectronics社や米Broadcom Corp.。STMicroelectronics社は,Nokia社との取引が増えたことで,2008年にブロードバンド用半導体の世界市場における売上高シェアが,前年比6.3ポイント増の13.3%に拡大した。「STMicroelectronics社のようにシェアが急拡大するかは別にして,Nokia社とパートナーになったことはQualcomm社にとって有利に働きそうだ」とiSuppli社は説明している。