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 住友商事と米ワシントンミルズ社,サウジアラビアのアルゴサイビ社の3社は,炭化ケイ素(SiC)の製造に関する合意書を締結した。3社は,2009年6月までに合弁会社「シリコンカーバイドサウジアラビア」を設立し,工場を建設。2011年1月に製造・販売を開始する計画だ。

 新会社は,サウジアラビア西岸にあるジュベール工業団地を拠点とし,生産能力は年間2万4000t。出資額は約20億円で,住友商事が20%,ワシントンミルズ社とアルゴサイビ社が40%ずつを出資する。

 SiCは,硬度が高く耐熱性に優れることから,耐火材や研磨・研削材などとして使われる。また,ディーゼル車の黒煙フィルタ,シリコンウエハーのカッティング材といった用途も増えている。日本のSiC市場規模は年間約13万tだが,ほとんどを中国からの輸入品が占める。そのため,中国政府の輸出規制によって価格が高騰しており,供給も不安定化しているという。

 一方,サウジアラビアでは,SiCの製造過程で最も重要なコスト要因である電力と石油コークスを安価で確保できる。さらに,外資企業優遇政策があるため,中国産の製品よりも高品位のSiCの製造が可能という。新会社の設立によって住友商事は,日本やアジア市場での拡販を目指す。

 なお,SiCはSiに続く次世代のパワー半導体として注目を集めている。Si素子をSiC素子に置き換えると,インバータやコンバータなどの電力変換器での損失を低減できるからだ。ただし,「パワー半導体向けにSiCを利用する可能性はあるが,実際に提供するかどうかはまだ決めていない」(住友商事広報部)とする。