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 フィンランドNokia社が2009年3月3日に発表したユーザー・インタフェース向けのソフトウエア・プラットフォーム「Qt 4.5」では,新たなライセンスのオプションとしてLGPL(Lesser GPL)を採用した。その主な狙いは「Qt Everywhere」構想の実現であるという。

 QtはもともとノルウェーTrolltech社が開発していたものであり,商用ライセンスとオープンソース・ライセンス(GPL)の2本立てだった。Trolltech社はQtの開発・販売が核の事業であり,商用ライセンスは必須だった。しかしNokia社が2008年6月にTrolltech社を買収したことに伴い,ライセンス・ビジネスだけで事業を成り立たせる必要がなくなった。

 そこで打ち出した構想が「Qt Everywhere」である。Qtが持つクロス・プラットフォーム,クロスOSといった特性を活かし,「多くの企業に採用してもらうことにより,フィードバックが集まり,Qt自体の品質が高まる。結果として,Nokia社の機器に組み込む場合にも高品質のソフトウエアを利用できるようになる」(ノキア Qt Software営業統括責任者の池田清秀氏)。

 具体的にはLGPLを採用することに加え,開発キットを拡充する。Qt 4.5には統合開発環境「Qt Creator」が付属する。Qtに特化することで,軽量で手軽に起動できる。デバッガやGUI設計ツールも統合している。

 これらにより,開発者を増やすことを目指す。「現在は35万人の開発者がいるが,これを約10倍の300万人に増やしたい」(ビジネスデベロップメントマネージャーの佐相宏尚氏)。

 商用ライセンスは残すものの,「商用の機器に組み込む場合はほとんどがLGPLになるだろう」(池田氏)と予測している。