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セイコーエプソン代表取締役社長の碓井稔氏
セイコーエプソン代表取締役社長の碓井稔氏
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 セイコーエプソンとソニーは,中・小型液晶パネル事業での提携に向けて協議を開始することで基本合意した。エプソンの一部資産をソニーに譲渡することが決まっているが,譲渡する資産や提携の形式など,詳細はこれから検討するという。エプソンは事業を縮小する方向,ソニーは事業を強化する方向の提携になる見込み。両社は2009年6月末をメドに法的拘束力のある契約を結ぶ。

 エプソンは,中・小型液晶パネル事業に関して「1社単独で事業を継続したのでは収益化できない」(代表取締役社長の碓井稔氏)と判断し,2008年秋からソニーと協議してきたという。碓井氏は,同社の中・小型液晶パネル事業が苦戦する理由として「アプリケーションがない」「生産規模や投資規模で専業メーカーに劣る」の2点を挙げた。エプソンの中・小型液晶パネルは60%程度が携帯電話機向けだが,自社では端末を製造しておらず,顧客である端末メーカーの需要動向に業績が大きく左右される状況である。

 一方,ソニーはSony Ericsson Mobile Communications ABの携帯電話機をはじめ,中・小型液晶パネルの応用機器を多数手掛けている。現時点では,エプソンからソニーへの中・小型液晶パネルの供給は,Sony Ericsson社の一部端末向けのみと限定的だが,提携が成立すれば,エプソンとしては従来に比べて安定的な需要が確保できる可能性が高い。

 他方,ソニーは提携を通じて自社にない技術を補完する考え。現在,ソニーは子会社のソニーモバイルディスプレイで低温多結晶Si TFT液晶パネル事業を営んでいるが,エプソンが持つアモルファスSi TFT液晶パネルに関する技術を取り入れることで,中・小型液晶パネル事業の競争力強化を狙う。