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会見する現執行役社長の古川一夫氏
会見する現執行役社長の古川一夫氏
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 日立製作所は, 2009年3月16日に社長交代人事などの緊急記者会見を開催し,業績改善に向けた事業構造の改革について説明した(速報記事)。自動車部品を手掛ける「オートモティブシステム」事業と薄型テレビなどのAV機器を手掛ける「コンシューマ」事業の分社化し,環境関連の新事業へ注力する(人事交代の関連記事会見での一問一答)。

 オートモティブシステム事業とコンシューマ事業を分社化するのは,「迅速な意思決定ができること,能動的に事業を運営できること,他社とのアライアンスの可能性が強くなること。この三つがメリットと考えている」(日立製作所 執行役社長の古川一夫氏)。「この2年間,これらの事業は構造改革に手を打ってきた。分社化してそれを最終的に刈り取る」(古川氏)とした。両社とも資本金は未定だが,「事業運営や投資が可能な資本金を用意したい」(古川氏)という。

 ただ,これらの事業は世界的な景気減退の影響を最も大きく受けており,2009年度は赤字を想定している。分社化は2009年7月1日に実施する予定。これにより,オートモティブシステム事業の新会社の2009年度の売上高は単独で約2800億円,従業員数は設立時に約7600人となるもよう。コンシューマ事業の新会社の同売上高は,単独で約1600億円,従業員数は設立時に約750人となるもよう。2008年度の連結でのオートモティブシステム事業の売上高は約7000億円,コンシューマ事業の売上高は約1兆1000億円だった。

自動車以外も強化


 一方,日立グループでは環境・省エネ関連分野を重点領域として注力するため,Liイオン2次電池事業や再生可能エネルギー関連事業,資源再生事業にむけた取り組みを強化する。Lイオン2次電池事業については,日立製作所の社長直轄組織として「電池事業統括推進本部」を設ける。

 自動車向けのLiイオン2次電池を手掛ける日立ビークルエナジーや小型のLiイオン2次電池を手掛ける日立マクセル,電池材料を手掛ける日立化成工業などグループ会社が活躍するが,よりグループ力を高めたいとしている。Liイオン2次電池は「どうしても自動車分野だけに注力しがちだが,鉄道車両や建設機械,太陽光発電や風力発電での蓄電分野など応用範囲が広い。グループを挙げて今まで以上にやっていこうという意志の表れ」(古川氏)とする。