PR
Apple社senior vice president iPhone SoftwareのScott Forstall氏がiPhone OS 3.0ベータ版のSDKの新機能を指摘する
Apple社senior vice president iPhone SoftwareのScott Forstall氏がiPhone OS 3.0ベータ版のSDKの新機能を指摘する
[画像のクリックで拡大表示]
正式に公開する2週間前にSDKを入手した米SonicMule社は,「Leaf Trombone World Stage」というアプリケーションを開発した。ユーザーがiPhoneのマイクに向かって口から息を吹き,画面右の葉っぱのような部分を指で触って音を調整する。
正式に公開する2週間前にSDKを入手した米SonicMule社は,「Leaf Trombone World Stage」というアプリケーションを開発した。ユーザーがiPhoneのマイクに向かって口から息を吹き,画面右の葉っぱのような部分を指で触って音を調整する。
[画像のクリックで拡大表示]
iPhone OS 3.0のピアツーピア通信機能を利用し,Leaf Trombone World Stageでデュエット演奏を行っているところ
iPhone OS 3.0のピアツーピア通信機能を利用し,Leaf Trombone World Stageでデュエット演奏を行っているところ
[画像のクリックで拡大表示]
Apple社はiPhoneのアプリケーションが,医療器具とも連携できるようになる,と説明する
Apple社はiPhoneのアプリケーションが,医療器具とも連携できるようになる,と説明する
[画像のクリックで拡大表示]

 iPhoneやiPod touch向けOSの新版「iPhone OS 3.0」の発表イベント(Tech-On!関連記事)で米Apple Inc.は,新しいソフトウエア開発キット「iPhone SDK for iPhone OS 3.0 beta」(SDK=software development kit)の説明にかなり時間を費やした。iPhone OS 3.0の機能を利用するために追加した新しいAPI(application programming interface)の数は1000以上に及ぶという。iPhone OS 3.0ベータ版と新版のiPhone SDKは3月17日から,iPhoneのソフトウエア開発者プログラムに参加する開発者に向け,ダウンロード公開を始めている。

 Apple社は今回,アプリケーション開発者に収益をもたらす機会を増やす機能を重点的に強化した。まず,iPhoneのアプリケーションから,追加の情報を購入する機能を設けた。Apple社はこの機能の利用して,ゲームのアプリケーションにキャラクタの追加画像やアイテムを購入する機能を加えたり,電子ブックのアプリケーションに新しいコンテンツを購入する機能を付け加えたりできるとした。コンテンツごとの販売に加え,サブスクリプション形式による販売も可能だ。新機能による決済は,App Storeが代行し,収入の70%を開発者に戻すしくみになる。

 iPhoneやiPod touchの周辺機器を制御する機能も加わった。Apple社はこうした例として,iPhoneに接続したスピーカーの音質調整を行うアプリケーションの案も出した。iPhoneが備える30ピン・コネクターもしくはBluetoothを経由して接続される周辺機器が対象になる。Apple社が通信用プロトコルを用意するほか,周辺機器メーカーが独自プロトコルを追加することも可能だ。

ピアツーピアで新しい体験

 ピアツーピア通信機能もiPhone OS 3.0の新しい機能である。Bluetoothを利用し,Apple社が開発したサービス検出プロトコルである「Bonjour」を使う。この機能によって,二つの端末を連携させ,二人で楽しめるアプリケーションが実現できるとApple社はイベントで強調した。ピアツーピア通信機能は任天堂の携帯型ゲーム機などに備えられて成功を収めており,Apple社が携帯型ゲームの市場を意識していることが伺える。

 地図情報アプリケーション「Maps」の機能を別のアプリケーションで利用したり,iPhone内のマルチメディア・コンテンツ・ライブラリーを別のアプリケーションから利用したりする機能も提供された。例えば,端末に収められた音楽ファイルにアクセスして,この情報を利用するアプリケーションの開発が可能になる。

 さらにApple社は,iPhone OS 3.0でようやく,プッシュ通知機能の利用を可能にする。この機能は,サードパーティの開発者が運営するサーバーから,iPhone上のアプリケーションに情報を通知するもの。サーバーからアプリケーションに直接アクセスするのではなく,Apple社が運営するサーバー(Apple Push Notification service)を経由する。このサービスの提供はもともと,iPhone SDKが最初に登場した2008年6月の段階で公表されており,当初は2008年9月,その後は2008年末から運用するとした後,運用開始が延期されていた。同社は「iPhone向けアプリケーションの提供数が予想を大きく超えたため,プッシュ通知機能に必要な膨大なトラフィックに耐えられるように,サーバー側の再構築が必要だった」と延期の理由を説明した。

Apple社は今回のイベントで,同社が運営するオンラインのソフトウエア販売サイト「App Store」で,公開後の8カ月間に,8億本のアプリケーションがダウンロードされたと説明した。