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図1 試作品である。右上にあるのが,電気ソケットを装着したモジュール部分である。左上にある突起物の付いたものがヒートシンクである。
図1 試作品である。右上にあるのが,電気ソケットを装着したモジュール部分である。左上にある突起物の付いたものがヒートシンクである。
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図2 モジュール本体と電気ソケットに装着した場合,ヒートシンクで固定した場合の外観
図2 モジュール本体と電気ソケットに装着した場合,ヒートシンクで固定した場合の外観
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 古河電気工業は,消費電力が小さい機器内光配線モジュールを試作した(発表資料)(図1)。0.84W以下の電力で,10Gビット/秒×12チャネル,計120Gビット/秒で300m伝送(ケース温度は15~80℃)できるという。1Gビット/秒あたりの消費電力に換算すると7mWとする。主に,サーバやルータなどにおけるボード間の機器内光配線での利用を想定する。2010年の製品化を目指す。

 モジュールの外形寸法は13mm×13mm×3.4mmで,電気ソケットやヒートシンクに実装後では,21.7mm×21mm×13.7mmとなる(図2)。伝送路には石英ファイバを利用した。

1μm帯を利用

 消費電力を抑制できたのは,光源であるVCSELやその駆動IC,受光素子で光電変換した電気信号を増幅するトランスインピーダンス・アンプ(TIA)などの消費電力を削減したためである。VCSELは,古河電気工業が開発した高効率品を基にしており,10Gビット/秒の高速変調に対応させた(Tech-On!関連記事)。発振波長は1060nm。VCSELの駆動ICやTIAは他社製である。

 VCSELの場合,発振波長が850nmの品種を利用する場合が多い。今回の試作品のように1μm帯を利用することで二つの利点があるとする。一つは石英ファイバでの分散が少ない,もう一つは受光素子による受光感度を上げやすい点だという。

 850nm帯の光をGaAs製のフォト・ダイオード(PD)で受光する場合と比較して,1μm帯の光をInGaAs製のPDで受光する場合で受光感度が約25%向上するという。受光感度の向上も消費電力低減につながった。

 伝送路に関しては,石英ファイバだけでなく,有機材料を利用した光導波路でも利用可能とする。ただし,「2010~2012年という比較的早い時期の製品化を狙うとすると,石英ファイバを利用するのが現実的」(古河電気工業)とみる。

 機器内光配線は,携帯電話機での利用向けた研究開発も活発化している。だが,古河電気工業はこうした用途を狙う予定はないという。サーバやルータなど,「大容量,かつ高信頼性を求める分野に注力する」(同社)。

 なお,今回の成果の詳細については,2009年3月22~26日に米国で開催される「OFC/NFOEC 2009」で技術発表,ならびに展示する予定である。