PR
今回開発した並列処理技術
今回開発した並列処理技術
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは,パソコンとソフトウエアのみでHDTV動画の配信を可能にする,並列画像符号化/復号化システムを開発したと発表した(発表資料)。マルチコアのプロセサを搭載するパソコンに向ける。同社は,この開発の成果を2009年3月19日に開催された,「電子情報通信学会 2009年総合大会」のパネル・ディスカッション「回路とシステム領域におけるメニコア計算機の利用」において発表している。

 開発したシステムは,H.264/MPEG-4 AVC方式に準拠する。動画符号化において,並列処理の際に分割される画像の分割境界部分に対し,再度画像処理を行うことによって,分割境界部のノイズを大幅に削減できるという。8個のコアを持つ並列計算機では,従来の約6倍の高速化が可能で,リアルタイムに符号化を行いながら映像配信ができるとする。

 復号化においては,並列化に伴うオーバーヘッドの小さい効率的な処理を行い,4並列処理で3倍以上の高速化を図ったとする。演算負荷の内訳や周囲の処理結果への依存性といった,各画像処理内容の特性に適した並列処理手法を複数組み合わせることで実現したという。

 近年,ニーズが拡大しているテレビ会議システムや画像配信システムは,画像処理システムに専用ハードウエアを利用したものが多く,その装置が高価であるため普及が遅れていると,NECは説明する。この課題を解決するため,パソコンなどの汎用計算機へ向けた,画像符号化/復号化技術のソフトウエア化の研究開発に取り組んできたとする。

 なお,今回開発した並列符号化/復号化技術の一部は,NECのストリーミング配信基盤「StreamPro」に搭載している。