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 可視光通信コンソーシアム(VLCC)は,イメージ・センサーを受信機として,灯台や交通信号機のLEDを利用した可視光通信の実験に成功したと発表した(PDFの発表資料)。灯台からの光に情報を載せた場合の伝送速度は通信距離2kmにおいて1022ビット/秒,1kmで1200ビット/秒を記録した。今回達成した2kmは,広く拡散する光源を用いた空間光通信としては世界最長距離という。この実験は,2008年10月に千葉県の九十九里浜において海上保安庁,カシオ計算機,東芝が参加する「灯台サブプロジェクト」の一環で行われた。

 VLCCによると,今回のイメージ・センサーを利用する通信方式では,可視光通信の受信部にフォト・ダイオードを利用する場合と比較して以下の長所がある。まず,一つの信号しか受信できないフォト・ダイオード通信と異なり,イメージ・センサー通信では,一つの画素を一つの受信チャンネルと考えれば,複数の受信チャンネルを持つことができる。また,受信チャンネルは画素に対応する位置情報を持っているため,受信時に送信場所の位置を特定することができる。

 このほか,近くに他の光源があっても画素単位で分離できれば混信や干渉が起こらない,送信部の光が1ドット以上に見えていれば受信可能なため,望遠レンジなどを用いれば長距離の通信が可能といった特徴がある。

 道路の信号機を送信機として利用しようとする試みも始まっている。2009年2月には,カシオ計算機,NEC,東芝,日本信号が参加する「交通信号機サブプロジェクト」が行われた。日本信号の久喜事業所において,LED信号機を送信機として約160m離れた場所に各社の受信機を設置した可視光通信の実験を行っている。この予備実験では,約260mの距離の通信に成功したという。

 VLCCでは、イメージ・センサー通信の普及促進に向けたキットを2009年上期中に用意し,コンソーシアム参加企業を中心にして応用開拓を進める。イメージ・センサー通信では,長距離通信のほか,多地点同時把握や画像を併用した利用も可能という。VLCCは2003年に発足し,東京電力,KDDI,パナソニック電工,シャープ,フジテレビジョンなど25社が参加している。

イメージ・センサー受信機(左),LED灯器から2km地点の様子(右)
イメージ・センサー受信機(左),LED灯器から2km地点の様子(右)
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多地点同時把握のイメージ図(左),画像併用利用のイメージ画像(右)
多地点同時把握のイメージ図(左),画像併用利用のイメージ画像(右)
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