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 日立製作所と米Opnext, Inc.は,100Gビット/秒のEthernetに向けた光受信器を開発し,光ファイバによる10kmの伝送に成功した(発表資料)。実用化を想定し,受光素子には実装が容易な面入射型のフォトダイオードを使用した。パッケージは簡易な構造で製造しやすく,コストを抑えられる同軸型を採用した。

 現在標準化に向けて規格の策定が進められているデータ伝送速度が100Gビット/秒のEthernet規格では,波長分割多重化技術を利用し,1.3μm帯の四つの波長を使って1本の光ファイバで10kmの伝送を行う方式を採用することが決定している。1波長当たりのデータ伝送速度は25Gビット/秒である。日立とOpnext社は2008年2月,伝送速度が100Gビット/秒のEthernet用の光送信器に向けて,伝送速度が25Gビット/秒の変調器集積型の半導体レーザを試作し,12kmの光ファイバ伝送実験に成功している(Tech-On!関連記事)。この光送信器と,今回開発した光受信器を組み合わせて実証実験を行い,必要な信号レベルを満たしながら,1波長当たりデータ伝送速度25Gビット/秒で10kmの伝送が可能であることを確認したとする。

 データ伝送速度が100Gビット/秒のEthernet用光受信器には,四つの波長を分離する光分波器を組み込むため,光信号が減衰する。加えて,既存のデータ転送速度10GビットのEthernetに比べて,1波長当たりのデータ伝送速度が2.5倍に高くなるため,雑音成分が増え,S/Nが小さくなる。従って,データ転送速度10GビットのEthernet用光受信器(伝送距離40km)に比べて,光受信器の感度を高める必要があるという。今回の開発品では,電極用金属膜と誘電体膜の組み合わせを最適化することで,光信号を素子内で反射させるミラーの反射率を高めた。これにより受光感度を高めると共に,光信号から電気信号への変換速度も高めたとする。さらに,電気信号の伝送損失を抑えるように実装方式を工夫したことで,同軸型パッケージを使えるようにしたという。

 日立とOpnext社は今回の製品を,2009年3月22~26日に米国カリフォルニア州サンディエゴ市で開催中の「OFC/NFOEC2009(the Optical Fiber Communication Conference & Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference)」で発表している。