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 2つの人形の手と手を合わせると通信が始まり,1~2秒ほどで内部に記録された互いの情報が交換される。手の部分を人形から引き抜き,USB端子をパソコンに挿入すると,Poken社が運営するネット・サービスが立ち上がる仕組みだ。

 ブラウザー上に表示されるのは,タッチした相手の名前や住所,電話番号,電子メール・アドレス,よく使うSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のマイページなどの情報。それまでに交換した相手の情報が一覧できる。いわば,電子名刺の管理サービスだ。その情報をたどることで,現実に会ってタッチした相手とネットで交流できる。

人形の手をタッチで情報交換
2つの人形の手を合わせるとID情報などを通信し合う
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 興味深いのは,通信でやり取りするのが人形のID情報だけという点。管理サービスに表示される個人情報は,人形の持ち主がネット上で登録した情報である。通信する情報をIDだけにすることで,人形を購入したり,もらったりした後ですぐに誰かと情報を交換できるという副次効果もある。個人情報は自宅や会社に帰った後でパソコンで登録すればいいからだ。

 ID交換時には時刻情報もやり取りしている。いつ誰と情報を交換したかが分かる。見知らぬ相手だけでなく,同じ相手と会う度に交換することで,紙の名刺では整理しにくい「いつ会ったか」という情報を時系列で整理できる。

 極めてシンプルなユーザー・インタフェースと,必要最小限の情報交換で電子名刺サービスを実現したことが,欧州で人気を博している理由の一つだ。機能的には,携帯電話の赤外線通信を使った電話番号やメルアド交換などと同等だが,小さな液晶画面でメニューを選ぶような手間は必要ない。実現手法は対照的だ。

 かしこまった形での情報交換ではなく,手軽な使い勝手がネット・ユーザーの琴線に触れた。国内の若いネット・ユーザーに人気のプロフィル共有サービス(プロフ)を現実世界に持ち込んだ機器と言えるだろう。

ボタン一つの簡単操作

 実は,人形の手の部分にはボタンが一つだけ付いている。このボタンをクリックする操作で,個人情報の開示法を相手に応じて変更できることも大きな特徴だ。