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 市場調査会社の米NanoMarkets社は,酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)の市場規模が2014年に83億米ドルまで拡大すると予測した(発表資料)。2009年の32億米ドルに比べて約2.6倍に成長するとの予測である。

 ITOの主な用途はFPD向けの透明導電膜だが,ITO膜は化学的にも物理的にも不安定,材料のIn(インジウム)の価格が安定しない,といった欠点がある。このため,代替材料の開発が積極的に進められている。しかし,2015年までに限れば,ほかの材料に対してITOは優位を保つとNanoMarkets社は予測する。予測の根拠は,Inの価格が2009年4月現在では高騰していた一時期に比べて70%ほど下がっていること,ITO膜の製造技術の改良により低コスト化と高効率化が進んでいること。FPD関連メーカーがITO膜を使わなくなるような傾向は見られないという。

 ただし,今後成長が見込まれるタッチパネルやフレキシブル・ディスプレイ,有機EL照明,薄膜太陽電池など向けにITOを代替する新材料の開発が加速するとNanoMarkets社はみている。2014年時点で,そうしたITO代替材料の市場規模は5億6700万米ドルに達すると予測した。特にITO代替用に開発が進められているナノ材料は透明性や電気伝導率だけでなく価格においてもITOをしのぐ可能性があり,ITO代替用ナノ材料の2014年の市場規模は3億3100万米ドルになるという。