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図1 「Hong Kong Science Park」の入り口
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図2 広々とした敷地に真新しいビルが多数建っている
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図3 Science Parkの模型。図中の右半分がオープン済みである
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図4 Hong Kong Science And Technology Parks社のKent Fung氏
図4 Hong Kong Science And Technology Parks社のKent Fung氏
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図5 半導体開発支援センター。入居企業が半導体の検査サービスなどを利用できる
図5 半導体開発支援センター。入居企業が半導体の検査サービスなどを利用できる
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図6 共有スペースには複数の食堂や売店などがある。敷地内には卓球場やスポーツ・ジム,プールといったスポーツ設備,300人弱を収容できる講堂もある
図6 共有スペースには複数の食堂や売店などがある。敷地内には卓球場やスポーツ・ジム,プールといったスポーツ設備,300人弱を収容できる講堂もある
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 「Hong Kong Electronics Fair (Spring Edition)」の会期中,香港政府が所有する研究開発施設「Hong Kong Science Park」(香港科技園)を見学してきた。展示会場のある香港島から,やや荒い運転のタクシーに30分ほど乗ると,海沿いに真新しい大型の建物が並んだScience Parkに到着する。

 Science Parkは,香港を研究開発地域として発展させることを目指して政府が設置した研究開発型の工業団地である(図1図2)。現在は250社,7000人の研究者が勤務している。総面積は22万m2。3期に分けて開発しており,第1期は2004年に,第2期は2007年にそれぞれオープンし,第3期は2013年のオープンに向けて計画の詳細を検討中である(図3)。

 Science Parkは,既存の企業の研究開発拠点としての利用のほか,ベンチャー企業の育成も狙っている。通常のオフィス使用料は,月額で1000平方フィート(約92.9m2)当たり2万香港ドル。2009年4月15日の為替レートで換算すると日本円で約25万6000円である。ベンチャー企業向けの「Incubation Programme」で認められた企業は,1年目はオフィス使用料が無料,2~3年目はオフィス使用料が半額となる。「現在入居している250社のうち,80社がIncubation Programmeを利用している」(Science Parkを管理するHong Kong Science And Technology Parks Corp.,Manager,Electronics,Marketing & AdmissionのKent Fung氏,図4)。

 特徴的なのは,香港政府所有の施設であるにもかかわらず,海外企業に広く門戸を開いている点だ。現在,日本からオムロン,富士通,富士電機デバイステクノロジーなど,欧米から米Freescale Semiconductor Inc.,米Cree, Inc.,オランダPhilips Electronics社などが入居している。「入居した企業が雇用を生んだり,法人税を納めたりするといった短期的な効果よりも,香港が技術革新のハブとして成長し,その技術革新にかかわる人・モノ・カネが香港を経由するという長期的な効果を重視している」(Hong Kong Trade Development Council)。

 Science Parkには,ベンチャー企業などが利用できる研究開発用のサービスがある。「高価な設備を自前では持てない小さな企業が技術革新を起こすためには,そうした設備を利用できる環境を整える必要がある」(Kent Fung氏)からだ。例えば半導体分野では,半導体の検査や欠陥解析,検査装置のレンタル,EDAツールのサブ・ライセンスなどを行う(図5)。無線通信や材料などの分野に向けた各種の試験サービスも提供している。

 香港政府が重視している技術分野は,各期の募集対象企業に表れている。Science Parkが募集した入居企業は,第1期が半導体などのエレクトロニクス分野,無線通信などの情報通信分野,精密加工分野の企業,第2期がバイオ技術分野の企業だった。第3期は環境技術の企業を中心に募集する計画である(図6)。