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 市場調査会社の米Databeans, Inc.は,半導体市場の現在の低迷を2001年頃の低迷と比較し,今回の市場停滞は長期化しないとの見通しを示した。Databeans社の調べでは,2008年の半導体の世界売上高は前年比3%減の2486億米ドルだったという。同社は2009年に売り上げがさらに落ち込み,市場規模は2000億米ドル強まで縮小するとみている。

 一方,2001年の半導体の世界売上高は前年比で32.5%減少。市場規模が2000年の水準まで回復するのに3年を要した。これに比べると,今回の不況は短期的なものになるとDatabeans社は予測する。2001年時の市場低迷は,1999年から2000年にかけての過剰な生産拡大の反動が主因だった。今回は景気低迷に半導体メーカー各社が素早く対応したため,現在では余剰在庫は少なく,生産が回復し再び成長基調に戻るのに時間はかからないとDatabeans社はみている。半導体の世界売上高は2009年に前年比17%減と落ち込んだ後,2010年には前年比17%増とV字回復すると予測。2011年には2691億米ドルまで市場が拡大し,2007年の過去最高を更新するとした。

半導体の世界売上高の推移
半導体の世界売上高の推移(Databeans調べ)
2001年頃の不況は「バスタブ型」,今回は「ブーメラン型」と説明する。

 市場回復を予期させる指標としてDatabeans社は,携帯電話機の市場動向を挙げる。2009年第1四半期(1月~3月)の携帯電話機の世界売上高は前年同期比20%減だったが,2008年第4四半期の落ち込み幅が35%だったのに比べると市況は改善したと同社はみている。端末メーカー最大手のフィンランドNokia Corp.のスマートフォンの売れ行きが好調で株価が上昇していること,Nokia社に半導体を供給している米Texas Instruments Inc.(TI)の直近の業績がTI社の従来予測を上回ったこと(Tech-On!関連記事)も半導体市況の回復をうかがわせるとした。

 地域別でみると,中国市場が景気回復の旗手を担っているという。中国の工業生産は2009年3月に前年同月実績を8.3%上回った。デジタル家電や携帯電話機,ノート・パソコンなどの普及率が高くないだけに,今後の需要にも期待できるとする。中国最大の移動体通信事業者であるChina Mobile Ltd.は2008年に1カ月当たり730万人の加入者を獲得したという。同社をパートナーに中国農村需要の開拓を進めるNokia社にとっても追い風になるはずとDatabeans社は指摘する。

 「2009年は多くの半導体メーカーにとって苦しい一年になるが,市況が上向くきざしは既に見え始めた」とDatabeans社は調査報告を結んでいる。