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新機種の部品一覧。写真に掲載していない細かな部品も幾つか存在する。(写真:中村 宏)
新機種の部品一覧。写真に掲載していない細かな部品も幾つか存在する。(写真:中村 宏)
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旧機種の部品一覧。写真に掲載していない細かな部品も幾つか存在する。(写真:中村 宏)
旧機種の部品一覧。写真に掲載していない細かな部品も幾つか存在する。(写真:中村 宏)
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 メイン基板電子ペーパーの分析を終えた日経エレクトロニクス分解班は,新機種「Amazon Kindle 2」と旧機種「Amazon Kindle」に搭載されているそのほかの細かい部品に目を移した。

 まず,電池を比べてみた。いずれもLiポリマ2次電池が搭載されており,電圧は3.7V,電流容量は1530mAh。外形寸法が約65mm×約44mmである点も同じだ。端子の位置のみが異なっている。製造メーカー名の記載はないが,「おそらく,同じ電池を流用したのだろう」(分解に協力した技術者)。

 Kindleの仕様では,新機種の電池駆動時間は旧機種に対して25%延長したとうたっているが,それは電池の変更によるものではなさそうだ。「電子ペーパーのコントローラICの変更をはじめとする,駆動方法の工夫によって低電力化を図ったのではないか」(前出の技術者)。

 次に,3G通信用モジュールを比べてみた。いずれも,米Qualcomm Inc.社製のチップセットを用いているが,外形寸法はかなり違う。旧機種が約67mm×約41mmであるのに対し,新機種は約51mm×約30mmと大幅に小さくなった。新機種で採用している通信用モジュールの外観や端子の位置は,ノート・パソコンなどで汎用的に使われているモジュールと酷似している。新機種では,こうした汎用品を使用することでコストダウンを図ったとみられる。

 最後に,分解した新旧Kindleのすべての部品をながめてみる。すると,雑音対策に関する部品で,違いが見られることに気が付いた。旧機種では,後付けとみられる雑音対策シートが使われているほか,「スピーカーの配線が遠回りで不自然」(前出の技術者)といった点も確認できた。

 これに対して新機種では,電子ペーパーや複数のICをあらかじめ専用のシールドで覆っていた。設計段階から計画的に雑音対策を施したことがうかがえる。既報のように,新機種ではメイン基板の設計も携帯電話機の設計思想を持ち込んだかのように洗練されているなど,新機種では設計技術者の関与がかなり高まったと考えられそうだ。

 新機種「Amazon Kindle 2」は,2009年2月に米国で出荷が始まったばかりだが,業界関係者によれば,「既に次世代機種『Kindle 3』の開発が水面下で進められている」との情報もある。次世代機はどのような姿なのか,その動向にも注目していきたい。

――終わり――

「Amazon Kindle」新旧機種の分解については,日経エレクトロニクス2009年4月20日号のNEレポート「Amazon社の電子ブック「Kindle」の新旧機を分解」にも掲載しております。