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 京セラは,2008年度(2008年4月~2009年3月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は対前年比12.5%減の1兆1285億8600万円,営業利益は同71.5%減の434億1900万円と減収減益だった。純利益は同72.5%減の295億600万円だった。世界経済の後退による需要の減少や円高の進行,製品価格の下落などにより,減収減益になったという。

 事業分野別に見ると,すべての事業で減収だった。一部の事業では赤字を計上している。「部品事業」の中で落ち込みが大きいのは,「ファインセラミック部品関連事業」と「電子デバイス関連事業」。ファインセラミック部品関連事業は,半導体や自動車などの生産が急激に低迷し,部品需要が大幅に減少したため前年比24.1%の減収となった。営業損益は2億4000万円の赤字を計上している。電子デバイス関連事業では,携帯電話機やパソコンなどの民生用デジタル機器の生産縮小によって,部品の在庫調整や単価下落が進み,円高の影響も受けたことから営業赤字となった。太陽電池セルなどを含む「ファインセラミック応用品関連事業」は減収幅が最も小さく,前年比0.7%の減収。太陽電池関連事業は,第4四半期に需要が急速に減少したものの,欧米を中心に第3四半期まで旺盛な需要が続いたことによって,通期では前年と比べて売上高が増加した。しかし,自動車の生産縮小などによって,切削工具事業の需要が減少したことなどから,ファインセラミック応用品関連事業全体では減収となった。

 「機器事業」の「通信機器関連事業」は減収幅が小さく,前年比0.9%の減収。三洋電機から引き継いだ携帯電話機事業の売り上げが加わったものの,国内の買い替え需要の減少や海外での販売低迷が響いた。営業損益は,製品価格の下落や海外子会社の構造改革を行ったことなどによって177億1300万円の赤字を計上している。複合機などを扱う「情報機器関連事業」は,企業の情報化投資の減少や円高が影響して17.1%の減収だった。

 2009年度(2009年4月~2010年3月)は,売上高が対前年比7.8%減の1兆400億円,営業利益が同1.3%増の440億円,純利益が同15.2%増の340億円になる見通し。2009年度も景気低迷の長期化で厳しい事業環境が続くと予測する。ただし,部品事業では,民生用デジタル機器向け部品などの一部製品において,需要の回復が見られるという。京セラは,「部品市況は底を打ったのではないかと見ているが,機器事業はまだそういう状況にない。また,部品市況も為替変動などによって再度悪化するリスクがある」と話した。今後は,中長期的に成長が期待できる情報通信分野と環境エネルギー分野の事業拡大を図るとする。