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図1 NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏
図1 NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏
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図2 2008年度決算の概況
図2 2008年度決算の概況
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図3 2008年度決算における営業利益の増減要因
図3 2008年度決算における営業利益の増減要因
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図4 端末販売台数の推移。通期では前年度比21.8%減の2013万台だった
図4 端末販売台数の推移。通期では前年度比21.8%減の2013万台だった
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図5 2009年度業績予想における営業利益の増減要因
図5 2009年度業績予想における営業利益の増減要因
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図6 移動体通信ネットワークの高度化の計画。2009年6月にHSPAを導入し,2010年度にLTEを導入する予定
図6 移動体通信ネットワークの高度化の計画。2009年6月にHSPAを導入し,2010年度にLTEを導入する予定
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図7 設備投資額の推移
図7 設備投資額の推移
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 NTTドコモは2009年4月28日,2008年度通期(2008年4月~2009年3月)の決算を発表した(図1決算資料の掲載ページ)。売上高は前年度比2638億円減(-5.6%)の4兆4480億円で,営業利益は前年度比227億円増(+2.8%)の8310億円。2007年度(Tech-On!の関連記事)に続いて減収増益となった(図2)。

 営業利益の増減要因(図3)を見ると,減少要因として大きいのは携帯電話収入の減少である。ARPU(1契約当たりの月間平均収入)が前年度比10.2%減の5710円と大幅に下がることなどで,携帯電話収入が3577億円減少した。データ通信のARPUは前年度に比べて8.2%増えたものの,割引サービスの導入などで音声のARPUが大きく減少したことが影響した。営業利益の増加要因として大きいのは,端末販売費用の減少である。販売奨励金や端末調達費用の減少によって3908億円減った。最終的には227億円の増益を達成し,「順調な業績だった」(NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏)。

端末の販売台数は21.8%減少

 2008年度通期の端末販売台数は2013万台で,前年度比で21.8%と大幅に減少した(図4)。新しい販売モデルの導入や消費の冷え込みが影響した。「もっと台数が減ることも覚悟していた。第4四半期に持ち直したこともあり,21%減で踏みとどまった。端末を買い控えていた人たちが買ってくれたのではないか」(山田氏)と分析する。2009年度は端末販売台数の減少幅が小さくなり,2008年度比2.1%減の1970万台になると見込む。

 今後の端末開発について山田氏は,発売機種数の減少を示唆した。従来は多くのメーカーが半年サイクルで新機種を投入してきたが,今後は「一部の先鋭的な機種は半年サイクルを続けるが,1~2年間販売を続けるような機種も出てくる」(同氏)とした。また,現在は年間100万~150万台程度であるスマートフォンの販売台数が今後伸びるとし,「スマートフォンを2台目として利用する需要が増えれば,販売台数が増加することもある」(同氏)という期待を示した。

 2009年度(2009年4月~2010年3月)の業績予想として,売上高は1.5%減の4兆3820億円,営業利益は0.1%減の8300億円とした。「2009年度の先行きは不透明だが,『2012年度に営業利益9000億円を達成する』という中期目標に向けた仕込みの時期でもある。その仕込みに200億~300億円,顧客満足度の向上に400億円などを投入しつつ,2008年度比で横ばいの営業利益を達成したい」(山田氏)とする。音声収入は減少する見込みだが,データ通信収入の増加やネットワーク関連コストの削減などで実現する考えである(図5)。顧客満足度向上とデータ通信収入の増加を狙った取り組みの一つとして,データ通信料の定額プラン「パケ・ホーダイ ダブル」の最低料金を2009年5月から490円に下げる。これまでは1029円に設定していたが,利用が少なかった月の料金を下げることによって,定額プランへの移行を促す。

LTEは2010年から,「4~5年かけて主要都市をカバー」

 移動体通信ネットワークの進化についても説明した。まず,2009年6月に都内の一部のエリアから「HSPA」を導入する。3GPPのリリース6で定められたHSPAは上りのデータ伝送速度を最大5.7Mビット/秒に高める通信方式である。その後,2010年度に「LTE(long term evolution)」を導入する計画である(図6)。「既存のネットワークにオーバーレイする形で導入していく。4~5年かけて全国の主要都市をカバーする」(山田氏)。その4~5年間のLTEの展開のために必要な設備投資額は総額で3000億~4000億円程度と見込む。NTTドコモの設備投資額は,2008年度が7376億円(2007年度比2.9%減),2009年度予想が6900億円(2008年度比6.4%減)である(図7)。「LTEを導入・展開する時期も,7000億円前後という設備投資額を維持できるだろう」(同氏)とした。