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図1 パイオニア 代表取締役社長の小谷進氏。
図1 パイオニア 代表取締役社長の小谷進氏。
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図2 事業体制のスリム化の具体的な内容
図2 事業体制のスリム化の具体的な内容
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図3 財務体質改善の具体的な内容
図3 財務体質改善の具体的な内容
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図4 2012年3月期(2011年度)までの連結業績見通し。
図4 2012年3月期(2011年度)までの連結業績見通し。
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 パイオニアは,2012年3月期(2011年度)までの中期経営計画を発表した。カーエレクトロニクス事業をコア事業に据えて注力する一方,ディスプレイ事業からの完全撤退や,グループ全体で合計9800人の人員削減などの構造改革を2009年度までに完了する。経済の先行きが読めない中,景気が落ち込んだままでも業績を回復できるよう,まずは「売り上げ増より構造改革による固定費削減をメイン」(パイオニア 代表取締役社長の小谷進氏)にする。中期事業計画としてカーエレクトロニクス事業の事業領域の拡大やホームエレクトロニクス事業における新市場の創造に取り組み,2010年度には黒字に転換するとした。

 構造改革施策として(1)事業ポートフォリオの再編成,(2)事業体制のスリム化,(3)財務体質の改善を挙げる。(1)について,ディスプレイ事業からの完全撤退やシャープとの光ディスク事業の合弁会社設立に加えて,コア事業とするカーエレクトロニクス事業では他社との協業による体質強化や新規事業の創出を狙う。例えば,三菱電機とは従来,カーナビ用ソフトウエアを共同開発してきたが,今後は共同開発の対象を車載用AV機器のハードウエアやソフトウエアにまで広げることで合意したという。2009年4月23日には,中国の上海汽車工業と合弁会社の設立で基本合意しており,中国向け高度交通情報サービス・システムの開発,販売,サービス提供や車載用AV機器,カーナビの開発,販売を行う計画とする。

 (2)について,生産会社の統廃合,営業部門と販売子会社の統合,海外販売体制の約2割の規模縮小,国内拠点5拠点から2拠点への集約,人員体制の見直しなどを行う。グループ全体での人員体制は2008年12月末に対して正社員を約5800人,派遣・請負社員を約4000人削減する。国内では4600人,海外で5200人に相当する。(3)について,本田技研工業に対して第三者割当新株式発行することで25億円増資する。中期経営計画の実現に向けて400億円規模の資金調達が必要としており,公的資金の活用も含めて財務パートナーシップを検討していくとする。2009年度における雇用調整に関する費用などの構造改革費用は470億円で,固定費削減効果は2008年度に比べて2009年度に500億円,2010年度には850億円を見込む。

 中期事業計画のうち,カーエレクトロニクス事業は2011年度に営業収入3110億円,営業利益150億円を計画する。中国などの振興国においては,普及価格帯のカーナビや車載AV機器に注力し,事業拡大を狙う。自動車メーカー向けOEMの比率は2008年度の41%から2011年度には45%まで引き上げたいとする。ホームエレクトロニクス事業については,家庭用AV機器とDJ機器,ケーブル・テレビに向けたセットトップ・ボックス(STB)の3分野を柱とする。事業分野は縮小するが,2011年度は営業収入730億円,営業利益30億円を目指すとする。住宅関連企業と連携した「住宅オーディオ」といった新市場の開拓による売り上げ拡大のほか,DJ機器事業から映像・音響設備機器への事業拡大,STBによる収益の安定確保を狙う。

 なお,2008年度(2008年4月~2009年3月)の連結業績予想は営業収入が5580億円,営業損失が550億円とした。2009年2月に発表した前回の予想に比べて,営業損失が140億円分減った点について,ディスプレイ事業の撤退発表に伴って製品が大幅に値崩れすると予想したが,実際には価格を維持して販売できたためと説明する。