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富士通 代表取締役社長の野副州旦氏
富士通 代表取締役社長の野副州旦氏
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 富士通は2009年4月30日,2008年度(2008年4月~2009年3月期)の決算を発表した(ニュース・リリース1)。売上高は対前年度比12%減の4兆6929億円,営業利益は同66.5%減の687億円と期初計画を大幅に下回った。ただ,営業利益に関しては,国内のテクノロジーソリューション事業(SI事業)などが堅調に推移し,2009年2月の下方修正で発表した500億円を上回った。

 一方,「最大の課題は半導体事業」(同社 代表取締役社長の野副州旦氏)とし,論理LSIの生産を台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)に委託するファブライト戦略を打ち出した(ニュース・リリース2関連記事)。45nm世代までを自社製造とし,40nm世代はTSMCに製造委託する。28nm世代以降の共同研究に関しても今後TSMCと協議を進める。

 2008年度の営業利益をセグメント別に見ると,SI事業やITインフラなどの「テクノロジーソリューション」が対前年度比85億円増の1887億円と若干の増益だった。パソコンや携帯電話機などの「ユビキタスプロダクトソリューション」は同520億円減の5億円。半導体や電子部品などの「デバイスソリューション」は同902億円減の719億円の赤字だった。デバイスソリューションの営業赤字は第4四半期に434億円と,第3四半期(211億円)の約2倍に拡大している。

 営業外損失は537億円だった。内訳は持分法損失が340億円,為替差損が70億円などとなっている。この結果,経常利益は150億円となった。また,1283億円の特別損失を計上した。半導体のビジネス・モデルをファブライトに転換したことに伴い,三重工場の300mmライン第2棟で499億円の減損を行ったほか,HDD事業の譲渡などを含む541億円の事業構造改善費用を計上した。当期純損失は1123億円と,2002年度以来の水準となった。

 2009年度の業績見通しは,売上高が対前年度比2.3%増の4兆8000億円,営業利益が同16.3%増の800億円,経常利益が600億円,当期純利益が200億円となっている。営業利益のセグメント別内訳は,テクノロジーソリューションが1750億円,ユビキタスソリューションが50億円,デバイスソリューションが150億円の赤字などとなっている。

 なお,半導体事業の今後について,「他社との経営統合は当面考えていない」(野副氏)と言う。ファブライト化を進めることで「単独で半導体事業を黒字化できる」(同氏)という。