
ソニーは,2009年3月に発表した液晶テレビ「BRAVIA」のRFリモコンに,非接触IC技術「FeliCa」用のリーダー/ライターを搭載し,テレビに電子決済の機能を加える。アクトビラが提供するHDTV映像のVODサービス「アクトビラビデオ・フル」がまず対応する。今後は,「他の事業者にも積極的に利用を促す」(ソニー)という。
ソニーは,FeliCa搭載のために,デジタルテレビ情報化研究会が策定したテレビ向けICカードの標準仕様を用いた(図1)。この仕様では,テレビ・メーカー向けには電子決済時のWebブラウザーやICカードのアクセス用プラグインなどの仕様を,サービス事業者向けにコンテンツ作成のガイドラインを規定する。ソニーはこの仕様上でFeliCaを利用するためのアクセス用プラグインと,コンテンツ作成ガイドラインを策定した。「他社のテレビへの FeliCaポート搭載を目指す」(ソニー)ため,他社やサービス事業者にソニーが策定した仕様も公開する。

ケータイ連携は限定的
FeliCa用リーダー/ライターは,機器との通信にも使える。FeliCa対応のカードや機器からデータを受け取ってテレビのWebブラウザーを開いたり,携帯電話機をかざすと,RFリモコンからURLを送る機能を,今回のBRAVIAは備える。
携帯電話機向けにはTメモが手掛けるWebサイト「ポケットチャンネル」のURLが送られる。同サイトは,テレビ番組内で紹介された商品などの情報を,番組名や商品,出演者などから検索できる。「テレビで知った情報を,視聴者が携帯電話機で手軽に調べられるようにしたい」(Tメモ)とする。
こうしたサービスに向けて今後,番組やCMごとに異なるURLを送信できれば,テレビの利便性は高まる。そのためには,放送局側の理解と協力が不可欠になる。