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 経済産業省は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと共同で,産学官での研究開発投資を企画し実行する際の指針を与えるロードマップ「技術戦略マップ2009」を4月30日に公表した。平成17年(2005年)3月に第一弾「技術戦略マップ2005」を策定して以来,毎年度ごとに改訂を重ね,技術動向や市場動向,研究開発成果などの内容をそれぞれ最新情報に書き直したもの。対象領域は大項目が領域が8分類で,小項目として既存の「半導体」「ストレート・メモリ」などに,今回は新たに「計量・計測システム」を加えて合計30技術分野とした。今回の改訂には総勢で835人にのぼる産学官の専門家が参加した。

 今回の「技術戦略マップ2009」の特徴は,(1)日本化学会や応用物理学会などの五つの学会がまとめた提言を反映した,(2)ナノテクノロジー分野の要素技術を再整理し体系化し各要素技術の重要性や適用範囲などを明記して指針としての使い勝手を改良した,(3)持続可能なものづくり技術分野で,個々の要素技術と社会的なニーズぼ関連性を分析し統計的な手法でグループ化するなどのやり方で異分野技術の融合ツールとしての可能性を追求した---などである。

 技術戦略マップは30技術分野ごとに「導入シナリオ」「技術マップ」「技術ロードマップ」の三つで構成されている。第一の「導入シナリオ」は,研究開発成果が新しい製品やサービスにどう組み込まれて提供されるのかなどの道筋を示している。第二の「技術マップ」は,技術的な課題や要素技術の俯瞰(ふかん)図を示すことで,目標達成に必要な技術課題を整理し整合性を持つ研究開発計画を立案する支援を行うことを目的にしている。第三の「技術ロードマップ」は,技術課題に求められる機能などのマイルストーンを時間軸上に記述し,研究開発目標を共有する役目を果たす。

 ナノテクノロジー分野では,カーボンナノチューブやフラーレンなどの「ナノマテリアル」,スピントロニクスや近接場光などの特異な機能などを示す「ナノプロパティ」,量子ドットやフォトニック結晶などの応用を示す「ナノデバイス」と,材料からデバイスまでの関係を整理した軸と,IT・情報通信分野のナノエレクトロニクスやライフサイエンス分野のナノバイオ,環境・エネルギー分野のグリーンナノなどの応用分野の軸などを体系化し,各要素技術の重要性や適用範囲を明確化した。各要素技術には解説を加え,理解しやすくする工夫を凝らした。日本が強みとするナノテクノロジー分野で研究開発が一層進むように,ナノテクノロジー分野の見取り図を再構築したものだ。

 全体で約1400ページに及ぶ「技術戦略マップ2009」のダウンロードは,新エネルギー・産業技術総合開発機構のWebサイトを参照(注:各項目が数Mバイトのデータ量を持っている点に留意)。この中に「ナノテクノロジー・材料」分野も含まれている。