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代表取締役の鈴木修氏
代表取締役の鈴木修氏
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 スズキは2008年度(2008年4月~2009年3月)決算を発表した(PDF形式の発表資料)。売上高は前年度比14.2%減の3兆48億8800万円,営業利益は同48.5%減の769億2600万円,純利益は同49.2%減の796億7500万円だった。大幅な減収減益にはなったが,同業他社が赤字に陥る中でスズキは黒字を確保した。国内軽自動車の売り上げが堅調だったことや,低迷する北米市場への依存度が低いこと,逆に海外事業の中核市場であるインドの市況が安定していたことなどが黒字を確保できた要因という。

 自動車の販売台数は国内が前年度比1.2%減の66万5000台,海外が同5.3%減の164万1000台で,全世界合計で同4.1%減の230万6000台だった。二輪車の販売は同0.2%増の335万1000台。ただし,欧米向けの大型車の売り上げが減ったため,二輪事業の売上高は2割以上落ち込み,赤字を出した。

 2009年度の業績予想は,売上高が前年度比23.5%減の2兆3000億円,営業利益は同87.0%減の100億円,純利益は同81.8%減の50億円とした。「当社は内部留保もないし,赤字を出すわけにはいかない。1円でもいいから,とにかく黒字を確保する」(代表取締役の鈴木修氏)。

 自動車の販売台数は前年度比5.0%減の219万台を見込む。海外の主要市場であるインドについて鈴木氏は「地球上にあって他地域が不況の中で1カ国だけ良い状況が続くとは思われない」とみる。インドTata Motors, Ltd.が発売した低価格車「Nano」に関しては「影響がないとは言えないが,しばらく静観する。対策は打つが安売り競争にはしない」(鈴木氏)とした。インド市場では2009年度も前年度並みの70万台超の販売を見込んでいる。

 記者会見で景況感を問われた鈴木氏は,同社を取り巻く状況について以下のように語った。「景気が良くなるかどうかよりも,今回の不況で人々のクルマへの考え方が変わったことに注目している。大手メーカーの高級車なら今まで通り『動く応接室』(というコンセプト)でもいいだろうが,軽自動車はいまや『交通手段』『人間を輸送する機械』と捉えられているようだ。『交通手段なら所有しなくてもレンタルやリースでいいや』という考え方で,若者のクルマ離れが進んでいる。当社にとっては厳しい状況だ」。こうした産業観から,環境対応車の開発に関して「電気自動車やハイブリッド車以上に,現行のガソリン・エンジン車の燃費向上が重要。排気量1.3Lクラスで燃費改善が進んでいるのに比べ,軽自動車の燃費改善が遅れている」との考え方を示した。