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同社 常務取締役の高木明徳氏
同社 常務取締役の高木明徳氏
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 カシオ計算機は2008年度(2008年4月~2009年3月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は対前年比16.9%減の5180億3600万円,営業利益は同89.4%減の40億1600万円だった。世界同時不況による市場縮小や急激な円高の影響を受けて大幅な減益となったものの,営業黒字を確保した。純損益は前年の黒字から231億4900万円の赤字に転落した。今後の経営基盤の強化に向けて,事業構造改善費用やソフトウエア・設備などの臨時償却費などの特別損失を計上した結果,大幅な赤字になったという。

 前年からの減収分である1050億円の内訳は,「エレクトロニクス機器事業」の分が約648億円,「デバイスその他事業」の減収分が402億円。営業利益を見ると,電子辞書事業と携帯電話機事業は増益となったものの,デジタル・カメラ事業とデバイスその他事業は不調だった。同社全体の減収幅,減益幅の80%以上は,デジタル・カメラ事業とデバイスその他事業によるものという。特に,デジタル・カメラ事業は減収分の46%,減益幅の約3/4を占めた。

 デジタル・カメラ事業はこれまで高収益を維持してきたが,2008年度は100億円以上の営業赤字を計上した。主な要因は,既存の機種のラインナップから新機種への切り替えが2008年度末に集中したためという。動画と静止画を合成できる「ダイナミックフォト」機能や超高速連写機能といった,同社独自の「画期的な差別化機能」を訴求するのに「コストと時間を要した」と同社は説明する。ただし,新機能を理解してもらうための販促費用の計上は2008年度末に完了しており,デジタル・カメラ事業のコスト削減も行ったことなどから,2009年度のデジタル・カメラ事業は黒字化する計画。デジタルカメラの販売台数も2009年度には,2008年度の570万台から700万台に増加する見通し。平均販売価格は若干の下落を見込むが,「単価が多少下がっても,利益を確保できるコスト基盤を確保した」とする。

 携帯電話機事業も営業黒字となった。カメラ機能と耐衝撃性/防水性に優れる米Verizon Wireless社向けの機種が,北米で好調に推移した。カシオ計算機は今後,同社の独自技術を用いた,カメラ機能と耐衝撃性/防水性を備える新製品に力を入れるという。海外事業においても,「ボリューム追求型の事業展開ではなく,高い収益性を維持できる事業を着実に進展させていく」とする。

2009年度は150億円の営業黒字の見通し

 2009年度の業績予想は,売上高が対前年比2.3%増の5300億円,営業利益が同273.5%増の150億円,純利益が50億円となる見通し。好調を維持している電子辞書事業と時計事業を収益性の柱とし,デジタル・カメラ事業の黒字化,携帯電話機事業の黒字維持などで,収益を改善する計画である。ただし,情報機器事業とデバイス事業は今後も厳しい経営環境が続くとし,「楽観的な見通しは立てられない」と説明した。