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事業分野別売上高の推移
事業分野別売上高の推移
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NEC代表取締役執行役員社長の矢野薫氏
NEC代表取締役執行役員社長の矢野薫氏
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削減する固定費の内訳
削減する固定費の内訳
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 NECは2009年5月12日,2008年度通期(2008年4月~2009年3月)の連結決算を発表した(発表資料1 )。売上高は4兆2156億円(前年度比8.7%減),営業損益は62億円(同1630億円の悪化),当期純損益は2966億円(同3193億円の悪化)と赤字に転落した。2009年度は,固定費を前年度比2700億円削減し,当期純利益100億円と黒字化を目指す。

エレクトロンデバイス事業は大幅な悪化

 売上高は,すべての事業分野で減少した。特に,半導体や電子部品を扱う「エレクトロンデバイス事業」は前年度比21.4%減の6528億円となった。半導体分野はNECエレクトロニクスの業績悪化が響き,コンピュータや周辺機器向けで前年度比26.9%減,ディスクリートなどの汎用製品で同26.2%減など売り上げが減少し,同20.5%減の5465億円となった(発表資料2 )。NEC代表取締役執行役員社長の矢野薫氏は,「収益力の低下,市況の急変に追随できなかった」と説明した。

 主力であるシステム構築や通信インフラなどの「IT/NWソリューション事業」は同5.0%減の2兆7239億円で,事業分野で唯一営業利益1249億円(前年度比22.3%減)を確保した。携帯電話機やパソコンを手掛ける「モバイル/パーソナルソリューション事業」は同7.2%減の8103億円だった。国内の携帯電話機市場はこの1年で約3割規模が縮小したが,同社は携帯電話機の機種数の増加を図ったことなどにより,出荷台数を前年度比6.3%増の510万台に増やした。これにより,売上高は前年度比2.3%の増加となった。しかし,パソコンは海外市場の低迷により売上高を同13.2%減らし,4622億円となった。

固定費2700億円削減で黒字確保へ

 2009年度通期の連結業績の見通しは,売上高が前年度比11.5%減の3兆7300億円(上期1兆6500億円,下期2兆800億円),営業利益が1000億円,当期純利益が100億円を見込む。売上高は4兆円を割り込むものの,1年での黒字回復を目指す。その鍵となるのが固定費で,2008年度比2700億円の削減を計画する。特に,NECエレクトロニクスのルネサス テクノロジとの経営統合( Tech-On! 関連記事)により900億円の削減を想定している。「売上高は現時点で達成可能なものを設定した。この売上高を前提に固定費を削減して利益を確保する」(矢野氏)と述べた。