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代表取締役社長の小谷進氏
代表取締役社長の小谷進氏
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 パイオニアの2008年度(2008年4月~2009年3月)決算は赤字だった。売上高が前年度比27.8%減の5588億3700万円,営業損失は545億2900万円,純損失は1305億2900万円である。四半期ごとに前年同期に対する売り上げの減少幅が拡大し,第4四半期の売上高は前年同期の6割にとどまった。2本柱のカー・エレクトロニクス事業,ホーム・エレクトロニクス事業ともに通期で赤字を出した。

 カー・エレクトロニクス事業の売上高は前年度比22%減の2917億円,営業損失は123億円だった。自動車需要の減退を受けて,車載オーディオ機器,カーナビともに売り上げが落ち込んだ。ただし,日本市場向けカーナビのOEM事業は前年度比で増収になった。パイオニアはホンダを中心に日産自動車やマツダにカーナビを納入しているが,日産向けのディーラー・オプション(ディーラーでの特別注文装備)の売り上げが伸びたという。

 ホーム・エレクトロニクス事業は,売上高が前年度比36.5%減の2093億円,営業損失が386億円となった。薄型テレビやDVD機器,オーディオ機器など主要製品のほとんどで売り上げが低迷した。

「需要回復には期待しない」

 2009年度の業績予想は,売上高4200億円(前年度比24.8%減),営業損失330億円,純損失830億円とした。カーエレやデジタル家電の市況に関して同社は「2008年度第4四半期の最悪の状況が2009年度上期いっぱい続く。下期からは少しずつ回復するものの,通期では前年度を下回る」(代表取締役社長の小谷進氏)とみる。市場低迷に加えてPDP事業からの撤退影響もあり,2期連続で大幅な減収を予測する。ただし,当初は2009年9月に販売終了を予定していたプラズマ・テレビの売れ行きは好調に推移しており,販売終了時期が2カ月ほど前倒しになる見込みという。

 カー・エレクトロニクス事業は2009年度下期に黒字化を見込む。ホーム・エレクトロニクス事業は2009年度上期に対して下期は赤字幅が1/2程度に縮小する見通し。「需要回復には期待していない。売り上げが回復して損益が改善するのではなく,コスト削減で損益を改善する」(小谷氏)。同社は現在,生産拠点/販売拠点の再編や人員削減などの構造改革を進めているが「追加で検討している事項もある」(小谷氏)とした。

 また,パイオニアは公的資金の適用申請に向けた準備を進めているという。申請に踏み切るにあたって小谷社長は「産業界への貢献」が申請の条件であるとの考え方を示した。「現在進めている構造改革(主としてコスト削減策)がうまくいってもスタート地点に立てたとは思わない。公的資金がおりるかどうか,まだわからないが,コストを削減して利益を確保するだけでは(公的資金投入に応えられる企業かどうかという点で)十分でない。メーカーである以上,ものづくりをしっかりやりたい。世界初,業界初の製品を打ち出して日本の産業界に貢献できる企業に,もう一度なりたい」。