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決算会見は大阪で行われ,三洋電機 東京ビルにも中継された。画面中央が代表取締役社長の佐野精一郎氏。
決算会見は大阪で行われ,三洋電機 東京ビルにも中継された。画面中央が代表取締役社長の佐野精一郎氏。
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 三洋電機は,独自の「HIT(heterojunction with intrinsic thin layer)太陽電池」でセル変換効率23%を達成した。代表取締役社長の佐野精一郎氏が2009年5月14日に開催した決算発表の記者会見で明らかにした。数値は量産レベルではなく研究開発レベルのもの。詳細は近く発表するという。三洋電機はこれまで,研究開発レベルでは最高22.3%の変換効率を得ていた(Tech-On!関連記事1)。

 決算会見で佐野社長は,多くの時間を割いて太陽電池事業の今後の戦略を説明した。同事業も目下,世界不況の影響を受けているが「長期的には必ず伸びる」(佐野氏)とみて経営資源を集中する。同社は太陽電池の市場規模が,2009年度(2009年4月~2010年3月)は世界不況の影響で前年度を下回る5GWになるものの,2010年度は6GW,2011年度は7GWと成長し,化石燃料の枯渇などを背景に2020年度には40GWまで拡大すると予測している。この2020年度時点で市場シェア10%の獲得を目指すという。

 シェア拡大に向け,三洋電機はコスト競争力の強化を図る。具体的には,HIT太陽電池製造用のSiウエハーを内製するなどして,製造コストの低減を進める。2009年度内に米国オレゴン工場での内製を始め,2010年度にはHIT太陽電池製造用Siウエハーの内製化比率を20%とする計画。

 販売については「大型案件の獲得で競合に後れをとっている」(佐野氏)との現状認識で,対策として「不採算事業からの撤退や縮小で余剰人員が出ることが予測されるが,その多くを太陽電池の販売部門に配置転換することを検討している」(同)。日本の官公需向けの拡販などを通じて,2009年度のHIT太陽電池の世界売上高を前年度比20%増とする計画。

 薄膜太陽電池に関しても,2009年1月に設立した新日本石油との合弁会社で現在,マーケティングを進めているといい(Tech-On!関連記事2),2009年度上期中に量産投資を含む事業計画を決定する。薄膜太陽電池の生産能力は,2020年度には2GWまで引き上げる計画という。