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C5ジアミンは,アミノ酸L−リジンから脱炭酸反応によって得られる1,5−ペンタンジアミンで、カーボン数が5個のジアミンです。 
C5ジアミンは,アミノ酸L−リジンから脱炭酸反応によって得られる1,5−ペンタンジアミンで、カーボン数が5個のジアミンです。 
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 東レは,微生物を利用した非可食バイオマスからポリマ原料を合成する研究の一環として,「バイオナイロン」の試作に成功した。具体的には,バイオマスから発酵技術で製造されるアミノ酸を原料に,微生物が持つ酵素を用いてC5ジアミンに変換し,それからナイロン(バイオナイロン)を合成した。現在は,その実用特性の評価を進めているところという。

 C5ジアミンを原料とするバイオナイロンは,モノマ原料の組み合わせにより耐熱性を200~300℃の間で調整できる。加えて,これらバイオナイロンは,ナイロン固有の物理特性や機械特性,耐久性を備えていることから,既存の化石原料由来のナイロンの用途である,繊維/フィルム/樹脂用途で幅広く展開できると考えられる。

 C5ジアミンは再生可能な原料で,製造工程でのエネルギ投入量も少なく,温室効果ガス排出の抑制にも貢献する。今後の課題は,非可食バイオマスを糖に分解する技術の実用化とC5ジアミンの低コスト合成技術の確立。とりわけ非可食バイオマスの利用には,セルロースを微生物が利用しやすい糖に変換するセルロース糖化技術が必要で,同社は水処理分離膜技術とバイオ技術を融合して開発に当たる。なお,セルロース糖化技術で得られる糖は,エタノール以外にもさまざまな化学品に変換することが可能で,特殊な微生物や酵素を用いることによって高い効率でポリマ原料を合成することができる。