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図1 世界の洗濯機市場において,日系メーカーの存在感は希薄。一般に「白物家電は地域性が強く,地元メーカーが強い」と言われるものの,韓国系メーカーや欧米系メーカーは日本以外の各地域でシェアを獲得している。
図1 世界の洗濯機市場において,日系メーカーの存在感は希薄。一般に「白物家電は地域性が強く,地元メーカーが強い」と言われるものの,韓国系メーカーや欧米系メーカーは日本以外の各地域でシェアを獲得している。
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図2 中国では急激に高級品が普及している。
図2 中国では急激に高級品が普及している。
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図3 白物家電市場の成長は2009年に入ってから鈍っているものの,それほど大打撃ではないという。
図3 白物家電市場の成長は2009年に入ってから鈍っているものの,それほど大打撃ではないという。
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 欧州や旧ソ連,南米,中東,アジア,太平洋といった地域に,日系メーカーが進出できていない。家電製品などの調査会社ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンは冷蔵庫や洗濯機,エアコン,電子レンジ,アイロンなどの生活家電(いわゆる白物家電)の世界市場について調査した結果を,「2009 生活家電製品 グローバル・カンファレンス」で明らかにした。同社によれば現在,洗濯機,冷蔵庫,衣類乾燥機,食洗機といった大型白物家電は世界全体で1617億米ドル,掃除機やアイロン,電気カミソリなどの小型白物家電は同472億米ドルと,巨大な市場になっている。

 日系メーカーは欧州で,電子レンジやエアコンでは一定の金額シェアを獲得している。しかし,洗濯機や冷蔵庫のシェアはほとんど獲得できていない。特に,800米ドル以上の高価格帯品における金額シェア(2009年1~2月)は,洗濯機が0%,冷蔵庫が1%と低い。確かにこの市場は地元・欧州のメーカーが圧倒的な強さを見せるが,「つい数年前まではそれほどでもなかった韓国系メーカーは,高価格帯品市場に入り込んでいる」(GfK Retail and Technology GmbH MDA Global DirectorのFriedemann Stoeckle氏)。韓国系メーカーは800米ドル以上の洗濯機で同6%,800米ドル以上の冷蔵庫で29%と健闘している。今回の調査では,欧州だけに限らず旧ソ連や南米,中東,太平洋地域でも,日系メーカーは欧米系メーカーや韓国系メーカーに遅れを取っていることが明らかになった。

高価格帯の製品に成長の余地


 近年,劇的な変化を見せる地域として挙げられたのが,中国と中東だ。例えば中国の冷蔵庫市場の場合,1994年から2004年までの10年間,90%以上を低価格な2ドア品が占めていた。しかし2005年以降市場が激変し,2009年には都市部で2ドア品の割合は57.8%にまで低下し,代わって3ドア品が22.5%,side by side型と呼ばれるいわゆる高級品が14.2%まで増加するという。背景には若年層を中心とした富裕層の増加があるとする。現在は中国における不動産の不調による引越し需要の低迷などによって,2009年は金額ベースで対前年比3.7%減になると同社では予想している。不動産が回復すれば2009年内に白物家電市場もプラス成長に転じると見込む。

 中東では,現代的でより高い生活レベルを実現したいと考える「New Age Muslims(新世代イスラム)」や,成功したいという野心を持って他国で働く「Societal Conformists(社会規範遵法者)」など,従来の保守的な人々とは異なる考えを持つ人々が増えているという。その結果,市場が拡大する余地があり,海外メーカーが参入しやすくなっているという。実際に,洗濯機,冷蔵庫,エアコンの各製品分野で2008年から2009年にかけて前年比2ケタ成長を記録した。2009年に入って低迷するも,打撃は少ないとする。