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図1●スカイライナー用次世代車両「AE形」(8号車側から)
図1●スカイライナー用次世代車両「AE形」(8号車側から)
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図2●急曲線通過と高速運転を両立した台車「SS170M」
図2●急曲線通過と高速運転を両立した台車「SS170M」
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図3●青色のグラデーションで彩色してある乗降口左右の手すり
図3●青色のグラデーションで彩色してある乗降口左右の手すり
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図4●手すり上部の照明を見上げて撮影。下部にも同様にLEDがある
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図5●乗降口ステップ床面のLED
図5●乗降口ステップ床面のLED
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図6●多目的トイレの内装。大理石とステンレスを使った
図6●多目的トイレの内装。大理石とステンレスを使った
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図7●天井はドーム型。車両の端に荷物置き場がある。号車番号「6」の上に防犯カメラが見える
図7●天井はドーム型。車両の端に荷物置き場がある。号車番号「6」の上に防犯カメラが見える
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図8●座席に設けたコンセント
図8●座席に設けたコンセント
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図9●荷物スペースは,車内から見通しやすい
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図10●荷物スペースの上部にある防犯カメラ
図10●荷物スペースの上部にある防犯カメラ
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 京成電鉄は2009年5月20日,都心と成田空港を結ぶ特急「スカイライナー」の次世代車両「AE形」第1編成(8両)を報道関係者に公開した(図1)。2010年開業予定で現在建設中の「成田新高速鉄道」線を160km/hで走行し,日暮里から成田空港まで現在51分である所要時間を36分に短縮する車両。成田新高速鉄道は,成田空港の平行滑走路の延伸工事が完成した際の空港利用者の増加を見越し,京成線や北総線を東へ延長する形で整備中の新線。AE形は,現在の北総線の終点である「印旛日本医大駅」から成田空港への延長部分で160km/hでの運転を実施する。

 スカイライナー用車両としては開港当時(1973年)の初代,2000年登場の第2世代に続く第3世代に当たる。在来線としては最高速度の160km/hでの走行を実現するため「台車の設計に心血を注いだ」(鉄道本部車両部長の佐久間健二氏)という(図2)。特に京成線の上野駅付近にある半径120mの急曲線,同120mと同160mが連続するS字曲線などを安定して通過できるよう脱線係数(車輪に横に掛かる力を輪重で割った値)を抑え,かつ高速運転区間での走行と両立できるようにした。

 先頭車の台車には乗り心地を向上させるため横揺れを抑えるフルアクティブサスペンションを装備。また全車両の台車には「新幹線以外ではあまり例のない」(同氏)ディスクブレーキを採用した。高速でトンネルに出入りするため,気圧の急激な変化に対応するようとびらを抑えたり,空調機のダンパーを改良するなど,JR線などで使われている技術を取り入れた。

 曲線通過の確認については京成線内で走行試験を実施し,高速性能については台車メーカーの住友金属工業の試験装置で確認した。車両の160km/h試運転は既存の営業線内ではできないので,成田新高速鉄道の現在工事中の区間(印旛日本医大・成田空港間)の完成を待って実施する。

 デザインは山本寛斎氏による。「工業デザイナー的な感性の及ばないところについて,服飾デザイナーとしての力を借りた」(佐久間氏)。具体的には乗降口の左右にある手すりのグラデーション(図3)や,手すり上下に設けたLED照明(図4),ステップ床面に設けた注意喚起のためのLED(図5),あるいはトイレの内装に大理石にステンレスを張ったものを用いたところ(図6)も,「なるほどと思わされた」(佐久間氏)という。

 外装のデザインコンセプトは「風」。先端から車両肩部へと連なるエッジと,窓下のストライプで「空気を切り裂いて進むスピード感」を表現したという。車体色のメタリックブルー(ウインドブルーと呼称)と白(ストリームホワイト)は,自然光下だけでなく地下区間での見え方も確認して決めた。

 内装は「凛」をコンセプトとし,透明感と清涼感を重視した。天井はドーム型で,蛍光灯を通常の倍の数使用した間接照明(図7)。座席の幅は従来より20mm広げて470mmに,座席間隔は10mm広げて1050mmとした。座席のクッション材の一部に新素材「バネックス」を採用。座席下部に,1席に一つずつコンセントを設けた(図8)。荷物スペースは室内に設けて,座席から見えやすくした(図9)。セキュリティにも配慮し,荷物スペース,乗降口いずれにも防犯カメラを設置した(図10)。

 1編成8両中電動車は6両。VVVFインバータ装置(回生ブレーキ付き,定速運転機能付き)で三相かご形誘導電動機(175kW)を駆動する。設計最高速度は170km/h。加速度は2.0km/h/s,減速度は常用4.0km/h/s,非常4.5km/h/s(初速70km/hのとき)または5.2km/h/s(初速130km/hのとき)。