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 薄膜系太陽電池の市場成長率は多くの調査会社が予測するほどには高くならない---。市場調査会社の米IC Insights, Inc.がこのような予測を発表した(発表資料)。

 同社によれば,2008年の薄膜系太陽電池の世界販売量は出力換算で876MWだった。今後は年平均成長率43%で市場が拡大し,2013年には5.2GWに達すると予測する。テルル化カドミウム(CdTe)を用いる米First Solar Inc.製の太陽電池に代表されるように,出力当たりの単価がSiウエハーを使う結晶系に比べると安いことから,売り上げを伸ばしているとIC Insights社はみている。

 ただし,IC Insights社の予測する年平均成長率43%は,他社が立てている市場予測よりもかなり低いという。IC Insights社は,成長率を低く見積もった理由として,効率向上の遅れや,政府支援のあり方が変わる可能性を挙げた。

 薄膜系太陽電池のセル変換効率は,研究開発段階では16~20%程度の効率を得ているものの,量産段階では11%程度にとどまっている。14~21%程度を確保しているSiタイプに見劣りする。IC Insights社によれば,大幅な改善のきざしも今のところ見られないという。

 また,薄膜系太陽電池は主に広大な土地の地面に設置されており,建物の屋根に設置される太陽電池のほとんどが結晶Si型となっている。IC Insights社は,電力を消費する場所の近く(その建物の屋根)に太陽電池を設置したほうが伝送にかかわる費用や電力損失が抑えられると指摘。現在は太陽電池への政府支援の多くが大規模施設に振り向けられているが,政府関係者の理解が深まれば,建物の屋根に太陽電池を供給するメーカーを重点的に支援するようになるはずという。

メーカー間の競争は激化

 太陽電池市場全体としては,2009年に導入量が前年比で22%落ち込むものの,2010年には再び成長基調に戻るとIC Insights社は予測する。米国や欧州,アジアの政府支援が成長をけん引するとみている。

 太陽電池市場は参入メーカーが増えているため,競争はますます激化するとみられる。2008年は首位メーカーの販売量シェアがわずか8%にとどまり,4%以上を獲得したメーカーが13社あったという。ランキングは今後,変動を続けるとIC Insights社は予測する。