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図◎めっきせずに金属光沢調の外観を持たせた2輪車のマフラーカバーリヤ。ポリアミド(PA)製の成形品の表面に,めっき代替フィルムを張り付けた。
図◎めっきせずに金属光沢調の外観を持たせた2輪車のマフラーカバーリヤ。ポリアミド(PA)製の成形品の表面に,めっき代替フィルムを張り付けた。
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 積水化学は,樹脂成形品に金属光沢調の外観を付与するめっき代替フィルムを開発,2009年5月20~22日にパシフィコ横浜で開催の「人とくるまのテクノロジー展」に出展した(図)。金属部品を樹脂で置き換えて軽量化する。めっき工程が不要になり,有害な6価クロムなどを使わずに済むほか,廃液処理も不要になる。

 ポリメチル・メタクリレート(PMMA)系フィルムの下側の面に金属を蒸着させた。金属名は「ノウハウ」(積水テクノ成型の説明員)。めっき代替フィルム全体の厚さは100μm程度。これを樹脂成形品の表面に張り付けることで,金属光沢調の加飾品にする。

 加工には真空成形を利用する。上下二つの箱から成るチャンバの中央をめっき代替フィルムで仕切りって上下に空間をつくり,両空間を真空にしておく。上側の空間にはヒータを設置。下側の空間には受け治具があり,樹脂成形品を同治具に固定する。
 
 ヒータでめっき代替フィルムを加熱して柔らかくしたところに,受け治具を押し上げる。すると,めっき代替フィルムが樹脂成形品の形状に沿って張り付いていく。続いて,真空状態の上側の空間に圧縮空気を送り込む圧空加工により,めっき代替フィルムを樹脂成形品の形状に密着させる。完全に密着したら上の箱を開け,めっき代替フィルムのうち不要な部分をトリミングして出来上がる。

 コストは樹脂成形品と同じく,一度に加工する数(取り数)を増やすことで低くなる。ただし,クルマのエンブレムのように穴の多い樹脂成形品は,トリミング工程に時間がかかるためコストが上昇する。従って,比較的小さめで,形状が複雑でない部品に向く。こうした条件を踏まえた上で,めっきを施すよりも低コストになる部品を探していく。

 課題は80℃程度の耐熱性。同社はこのめっき代替フィルムのサンプル部品として,2輪車のマフラーカバーリヤを展示した。形状や大きさが適当だったのがその理由。ただし,耐熱性が低く,そのままでは実用化できないという。そのため,耐熱性があまり要求されない部品が対象となる。