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図1◎テープ状のCFRP(上)とそれを使って織ったシート(左)、成形品(右)
図1◎テープ状のCFRP(上)とそれを使って織ったシート(左)、成形品(右)
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 東レは人とくるまのテクノロジー展で、熱可塑性樹脂を用いたCFRP(炭素繊維強化樹脂)成形品を展示した。展示したのは、テープ状のCFRPを織ってからプレスした成形品や、短繊維を混ぜたペレットで射出成形した成形品。

 プレスした成形品に使った樹脂はPPS(ポリ・フェニレン・サルファイド)。炭素繊維をPPSの樹脂に混ぜたテープを切断し、そのテープを直角に交差させて織物とする。この織物をプレスにセットし、熱をかけてプレスすると樹脂が溶融して変形する。冷やせば固まるため、写真右のような成形品を作った。エポキシ樹脂を使った熱硬化性のCFRPに比べて、成形時間が15~120秒程度と早いのが特徴である。また、耐熱性に優れたPPSを使っているため、連続使用温度も220℃と高い。テープ材の製造は同社子会社のフランスSOFICAR社が実施した。

 ただし、テープを作るのは簡単ではない。炭素繊維にPPSとの密着性を改善する処理を施してからPPSを被覆する。さらにこの繊維を束ねて一定幅になるようにした後、全体を加熱して束を溶着する。こうしてテープ状になったものを必要に応じてカットし、その後シート状の織物を作るのだ。会場に展示したテープは幅が5cm程度で、織物は幅数cm程度にカットしたテープを直角に組み合わせていた。同社では最大で幅1300mm程度のテープを供給できるという。

 射出成形用のペレットは、短繊維を樹脂に混練して配合するのが一般的だが、その場合混練時に繊維が切れて繊維長が短くなってしまう。そこで、今回展示したペレットはより長い繊維を強化材として使えるようにするため、独自の方法で製造している。作り方は、前述のテープを作る前工程と似ており、長い炭素繊維に表面処理を施した後に樹脂を被覆してから所定の長さに切断する。これによって繊維長が一定なペレットを製造できる。

 同社は、このほかに炭素繊維で不織布を作り、そこに熱可塑性樹脂をコーティングしたスタンパブルシートも開発中。今後は成形方法の多様化を図るとともに、PPS以外の材料との組み合わせも進める。

図2◎CFRPテープの特性
図2◎CFRPテープの特性
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図3◎短繊維の周りに樹脂を被覆したペレット(左)と成形品(右)
図3◎短繊維の周りに樹脂を被覆したペレット(左)と成形品(右)
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